Seers Technologyが海外市場の開拓に動いているが、米国ではまだ食品医薬品局(FDA)の承認を待っている。会社は中東で先に実績とレファレンスを確保した後、米国進出を推進する方針だ。
イ・ヨンシン代表は4日、ソウル汝矣島コンラッドホテルで開かれた企業説明会(IR)で「米国進出がやや遅れたのは事実だ」とし、「競争が激しい中東市場で成果を上げ、これを足掛かりにする計画だ」と語った。
続けて「入院患者モニタリングプラットフォーム『シンク』は今年から海外売上が発生すると予想される」とし、「2026年が成長局面に入る時点になる」と説明した。
◇病床設置後にサブスクリプション料を受け取る構造…『シンク』で売上拡大
Seers Technologyは昨年、通年の営業利益約163億ウォンを記録し、韓国の医療人工知能(AI)企業の中で初めて通年黒字を達成した。同期間の売上は約482億ウォンで前年対比495%増となった。
株価も上昇した。昨年1月2日に1万510ウォンで始まった株価は年末に13万100ウォンで引け、1138%上昇した。今年に入っても3日終値ベースで17万2200ウォンを記録した。昨年の製薬・バイオおよびヘルスケア業種の中で株価上昇幅が大きかった銘柄として挙げられる。
業績改善の中心にはシンクがある。2021年の発売以降、導入病床数は2022年40病床、2023年90病床、2024年840病床、2025年1万2000病床に増えた。シンク事業の売上は昨年429億ウォンだ。
会社は、病床設置に伴う初期売上と、その後のサブスクリプション型の保険償還による売上が併せて増える構造だと説明した。5年契約の病院が増え、2030年以降には再契約需要が本格化するとみている。
ただし国内の浸透率はまだ高くない。会社は現在、シンクが国内全病床の約2%水準にとどまっていると明らかにした。国内の病床数は約70万個と推計している。
イ代表は「市場の先導的地位をいつでも明け渡しかねない状況だ」とし、「持続的な研究開発と既存顧客の管理が必要だ」と述べた。
◇中東を優先攻略…米国進出前にレファレンスを確保
Seers Technologyは今年から海外市場の攻略にも速度を上げる。2023年からインド、香港、ベトナム、カザフスタン、モンゴルなどに進出しており、今後は中東・北アフリカ(MENA)地域を中核市場とする計画だ。
会社は同地域の病床規模を約80万個とみている。国内より保険償還が高い点が進出の背景として挙げられる。外来患者の不整脈を診断するサービス『モビケア(MobiCARE)』が先に拡大するとの期待を会社は示している。
アラブ首長国連邦(UAE)の国営ヘルスケアグループ、ピュアヘルス(PureHealth)と協力し、実績とレファレンスを積み上げる戦略も示した。
2009年に設立されたSeers Technologyは2020年12月に大熊製薬との協業を開始し、国内の流通網を広げてきた。現在、シンクとモビケアの国内販売・マーケティングは大熊製薬が担っている。
契約満了の時点は2028年だ。イ代表は「成果が良ければ再契約できるだろう」とし、「サブスクリプション型モデルをともに定着させる過程で相乗効果が出ている」と語った。
海外市場での共同進出の可能性については「すでに海外代理店がある」とし、「条件が合えば協業できる」と明らかにした。
資金調達に関しては「すべての可能性を検討している」とした。
Seers Technologyは3月の定期株主総会を機に社名を『Seers』に変更し、コーポレートアイデンティティ(CI)も刷新する予定だ。会社側は「成長段階に合わせてブランドを整備する次元だ」と説明した。