産業現場でロボットアームが突然重い物体を持ち上げたり外部衝撃を受けた際に激しい振動が発生し動作が不安定になる問題を緩和できる制御技術が登場した。
カン・サンフンUNIST機械工学科教授の研究チームは、急激な負荷変化や外部接触の状況でもロボットアームが目標軌道を安定的に追従できるよう支援する「適応型PID(比例・積分・微分)制御アルゴリズム」を開発したと26日に明らかにした。
PIDコントローラは、ロボットアームが計画された動きを正確に実行するようモーターに必要な力をリアルタイムで計算する中核装置である。構造が単純で適用が容易なため、産業用ロボットアームの大半がこの制御方式を用いる。
ただし一般的なPID制御は初期に設定した制御値を基準に動作するため、作業中に持ち上げる物体の重さが変わったり外部物体と接触するなど条件が変化すると誤差が大きくなり、振動や誤動作につながり得るという限界があった。
研究チームはこの弱点を補完するため、ロボットが動作過程で発生する誤差信号を活用して制御値を自律的に調整するよう設計したアルゴリズムを提案した。環境変化が検知されると、ロボットがリアルタイムで制御パラメーターを更新し、揺れを抑えて望ましい軌道を維持する方式である。
とりわけ今回の技術はロボットのハードウェアを変更せずソフトウェアの更新だけで適用できる点が強みとされる。研究チームは、すでにPIDコントローラを搭載したロボットであれば追加装置なしでも導入可能だと説明した。
研究チームは関節2個を備えたロボットアームにアルゴリズムを適用して性能を検証した。実験の結果、ロボットアームは作業環境が変わっても制御値を自ら調整し、目標軌道を安定的に追従し、振動なく動作を維持した。
カン・サンフン教授は「作業条件が随時変わるスマートファクトリー環境はもちろん、人の微細な力の変化に反応しなければならないリハビリロボット、ヒューマノイドロボットなど多様な分野で活用可能性が大きい」と述べた。
今回の研究成果は機械・ロボット工学分野の国際学術誌「IEEE/ASME Transactions on Mechatronics」に13日(現地時間)に掲載された。
参考資料
IEEE/ASME Transactions on Mechatronics(2026), DOI: https://doi.org/10.1109/TMECH.2025.3634620