Lunitは16日、日本の製薬会社ダイイチサンキョウと抗がん新薬の開発に向けた協力契約を締結したと明らかにした。
今回の契約により、ダイイチサンキョウは2つの新規抗がん新薬候補物質の開発初期段階から、Lunitの免疫抗がん剤反応予測AIプラットフォーム「Lunitスコープ」を活用して新薬開発に協力することにした。
Lunitはまず、免疫組織化学(IHC)定量分析ソリューション「LunitスコープuIHC(ユニバーサルIHC)」をダイイチサンキョウの抗がん剤開発プロジェクトに適用する。これにより、既存のIHC組織検査の定量分析精度を高める計画だ。
また、免疫学的フェノタイピングソリューション「LunitスコープIO」を活用して、腫瘍微小環境内の免疫表現型と免疫細胞分布を精密に分析する。分析結果は新薬候補物質の特性解明と臨床戦略の策定に活用される。
両社は今回の協力を通じて、▲AIに基づく新規バイオマーカーの発掘 ▲新規抗がん剤開発に向けた橋渡し研究および臨床試験の能力強化 ▲AIを活用した患者群選別による臨床試験の効率性向上などを推進する方針だ。
ダイイチサンキョウは、グローバル・ブロックバスター抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」を開発した製薬会社であり、複数の次世代抗がん剤パイプラインを保有している。
Lunitは現在、世界上位20社の製薬会社のうち15社と、抗がん剤開発の過程でLunitスコープの導入を協議中である。会社は今回の契約を機に、グローバル製薬会社との追加協力の可能性も高まると期待している。
ソ・ボムソクLunit代表は「昨年のアストラゼネカとの協業がすでに市販中の抗がん剤を対象にしたのに対し、今回の契約は新薬開発の初期段階にAIを初めて導入した事例だ」と述べ、「AIバイオマーカーに基づく新薬開発の方式が本格化するきっかけになるだろう」と語った。