サケを狩る最中、水面で相互に関わるシャチとハンドウイルカ、マダライルカ。/カナダ・ブリティッシュコロンビア大学、ダルハウジー大学、ハカイ研究所、ドイツ・ライプニッツ動物園・野生動物研究所

シャチは海の頂点捕食者である。世界最大の捕食性魚類であるホホジロザメでさえ、群れで狩りをするシャチには歯が立たない。体が大きい大型クジラも、知能が高いイルカも同様だ。「キラー・ホエール」として悪名高いシャチがイルカと共に狩りをし、獲物を分け合う姿が初めて捉えられた。利益になるなら誰とでも手を組むという世の理が自然から出てきた格好だ。

サラ・フォーチュン(Sarah Fortune)カナダ・ダルハウジー大学海洋学科教授の研究チームは「カナダ東部ブリティッシュコロンビア州沿岸でシャチ(学名Orcinus orca)がカマイルカ(Lagenorhynchus obliquidens)と共に狩りをする姿を初めて目撃した」と12日、国際学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。シャチとイルカはその後、獲物も分け合った。

サケ漁の最中、イルカを追うシャチを空撮ドローンと水中で撮影した映像。/カナダ・ブリティッシュコロンビア大学、ダルハウジー大学、ハカイ研究所、ドイツ・ライプニッツ動物園・野生動物研究所

◇水中と空中での狩り行動を撮影

ブリティッシュコロンビア州沿岸では、天敵と言えるシャチからわずか数m離れた場所でカマイルカが狩りをする様子がしばしば観察される。両種が互いに争ったり避けたりする様子を見せないことから、研究チームはこの現象が餌をめぐる競争ではなく協力による可能性があると推測した。

フォーチュン教授の研究チームは2020年8月、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー島周辺でシャチ9頭がどのように狩りをするかを調査した。研究チームはシャチに吸着カップでカメラとセンサーを装着し、水中映像と音響、移動情報を確保した。同時にドローンで空撮も行った。

研究チームは吸着カップが装着されたシャチと共に移動するイルカの行動258件を記録した。この過程で、シャチが進路を変えてイルカを追って潜水する事例を25件確認した。両種は互いに攻撃したり回避したりする行動を全く示さなかった。研究チームは、シャチとイルカがキングサーモン(Oncorhynchus tshawytscha)の狩りでそれぞれ役割を分担し、相互に利益を得ていると説明した。

イルカは超音波探知能力に優れる。シャチはイルカの超音波信号を聞くために潜水して雑音を減らした格好だ。イルカにとってもシャチが追随することは悪くない。キングサーモンは体が大きく、イルカが一口で飲み込むのは難しい。研究チームはシャチがサケを捕らえて仲間と分け合う事例を8件観察した。驚くべきことに、その半分はイルカも含まれていた。シャチが大きなサケを小片にすれば、イルカも食べやすい。研究チームは両種間の餌の共有だと説明した。

シャチに近づくカマイルカ。両者がともにサケを狩り、餌を分け合う様子が初めて確認された。/カナダ・ブリティッシュコロンビア大学、ダルハウジー大学、ハカイ研究所、ドイツ・ライプニッツ動物園・野生動物研究所

◇他のシャチの群れの攻撃を防ぐ可能性も

論文の共著者であるアンドリュー・トライツ(Andrew Trites)ブリティッシュコロンビア大学動物学科教授は「イルカとシャチの間で観察された戦略的同盟は驚くべき現象だ」と述べ、「全員が利益を得るウィンウィン(win-win)の関係だ」と説明した。トライツ教授は、シャチがイルカをまるでレーダーを搭載した偵察兵のように活用し、深い水深でキングサーモンを見つける確率を高められるとした。その見返りとしてイルカはサケを食べやすい形で得られるので、双方に利益がある。

フォーチュン教授は「長年、ブリティッシュコロンビア州沿岸に生息するシャチがカマイルカと相互作用する事実は把握していたが、共に潜水し狩りをする姿を初めて観察し、両者が出会う意味を完全に新たに理解した」とし、「今回撮影した映像は、シャチとイルカが実際に餌を見つけ共有するために協力し得ることを示す」と明らかにした。

両種の協力は、変化する海洋環境に捕食者が適応した結果とみなせる。イルカを追ってサケを狩るシャチは、ブリティッシュコロンビア沿岸で暮らす土着の群れである。研究チームは「イルカは土着のシャチと共に狩りをすることで、当該地域を通過する別のシャチの群れから保護を受ける可能性もある」とし、「このような協力的行動がどれほど広範かつ一貫して現れるのかを理解するには追加研究が必要だ」と明らかにした。

今回の研究はダルハウジー大学とブリティッシュコロンビア大学、ハカイ研究所およびドイツ・ライプニッツ動物園・野生動物研究所の研究チームが共同で実施した。

参考資料

Scientific Reports(2025)、DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-025-22718-4

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