セル트リオンは3日、米国食品医薬品局(FDA)から、慢性特発性じんましん治療薬「オムリクロ(OMLYCLO・オマリズマブ)」300mgプレフィルドシリンジ(PFS・事前充填型注射剤)製剤に対する追加承認を受けたと明らかにした。
オムリクロは、米国ノバルティスとスイスのロシュが共同開発した抗体治療薬ゾレア(XOLAIR)のバイオシミラー(バイオ医薬品の後発薬)である。ゾレアは喘息と慢性特発性じんましんの治療に用いられ、前年は世界売上約6兆5000億ウォンを記録した。
今回の承認により、オムリクロは75mg・150mg・300mgなどオリジナル医薬品と同一の3種のPFS製品群を備えることになった。とりわけ新たに承認された300mgの高用量PFSは、従来は低用量を複数回に分けて投与する必要があった患者に単回投与で十分な用量を提供できるため、治療の利便性が改善される見通しだ。
オムリクロは、昨年5月(欧州)、今年3月(米国)にそれぞれ世界初のゾレアのバイオシミラー承認を獲得した。その後、欧州(EC)、オーストラリア、ブラジルなど主要国で順次発売を完了し、欧州では直販体制を基盤に発売後第3四半期までの累計売上約470億ウォンを記録した。最近はドイツ・英国・フランス・スペインなど主要市場を先占している。
セルトリオンは今回の米国承認により、グローバルなオマリズマブ市場の約89%を占める米国・欧州で、オリジナルと同一のPFS全用量ラインアップを単独で確保した唯一のバイオシミラー企業となった。現在、両地域でPFS3種をすべて揃えた後続競合は存在しないため、先行者利益は一段と大きくなるというのが同社の説明だ。
セルトリオン関係者は「今回の300mg PFS製剤の追加承認により、米国の患者に新たな治療オプションを提供することになった」と述べ、「PFSの全ラインアップ確保を基盤に多様な患者状況に合わせた処方が可能になっただけに、製品競争力を踏まえグローバル市場でのシェア拡大に最善を尽くす」と語った。