ジン・ヤンゴンHLBグループ会長が、グループの抗がん新薬開発会社HLBの代表取締役職を退く。HLBの新たなトップにはキム・ホンチョルHLBイノベーション代表取締役・社長が内定した。
HLBグループは2026年の定期役員人事を断行したと2日に明らかにした。
今回の人事により、オーナーのジン・ヤンゴン会長とペク・ユンギ代表取締役の各自代表体制で運営されていたHLBは、キム・ホンチョル社長の単独代表体制に変更される。
会社は「戦略的集中と新規成長基盤の構築のための決定だ」とし、「リーダーシップ構造を再整備し、グループの中長期成長戦略を盤石にすることに焦点を合わせた」と明らかにした。
会社によると、ジン・ヤンゴン会長はグループ取締役会議長としての役割に集中する。会社側は「ジン議長は今後、未来の成長エンジンの確保、系列会社のシナジー、グローバルパートナーシップの強化に集中し、グループの持続的な企業価値の向上とグローバル展開を主導する計画だ」と述べた。
先にHLBは肝がん治療新薬「リボセラニブ」と中国の恒瑞医薬の「カムレリズマブ」の併用療法で米食品医薬品局(FDA)承認を狙ったが、2024年5月にFDAから補完要求を受け、米国市場進出で苦杯を嘗めた。
グループは単独代表取締役体制を強化して経営の集中度を高め、成果に基づく明確な責任体制を構築していく計画だ。
キム・ホンチョル新任HLB代表は、2023年に買収したHLBイノベーションの初代代表として、組織整備と経営効率化により成長基盤を整えたとの評価を受けた。
グループ側は「キム代表が米国でCAR-T治療薬を開発中の子会社『ベリスモ』を積極的に支援し、グローバルR&Dの成果創出に寄与した点が高く評価された」とし、「HLB代表として、米国子会社『エレバ』の新薬承認と商業化準備も安定的に管理・支援できると期待される」と述べた。
また2017年から続けてきたジン議長の株主懇談会によるコミュニケーション方式をグループ全般に拡大し、ジン議長が直接、上場系列会社の株主と積極的にコミュニケーションを図る計画だ。
ジン議長直轄の機構としてグループのコントロールタワー機能を担ってきた「現場支援本部」の組織も改編された。企画・人事部門を「戦略企画部門」へと拡大改編し、傘下に「未来戦略チーム」を新設した。会社はこれによりグループの中長期成長戦略を体系的に設計する予定だ。
会社側は「来年の肝がんと胆管がん新薬の承認、商業化に対する自信を土台に、今後の新規事業機会の発掘と未来の原動力確保に集中するという意思を反映したものだ」と述べた。
主要系列会社のトップもポストが入れ替わった。
HLBイノベーションの新たな代表取締役社長にユン・ジョンソンHLBサイエンス代表が内定した。ペク・ユンギHLB代表取締役がHLB生命科学の代表取締役を務め、従来のナム・サンウHLB生命科学代表はHLBグループ顧問として活動する予定だ。
HLB生命科学の子会社であるHLBセルは、グループ現場支援本部バイオリンクチームのイ・ジファン理事が常務に昇進し、代表取締役に電撃抜擢された。会社側はこの代表選任について「世代交代を通じた組織活力の向上と未来成長基盤強化のための戦略的人事だ」と説明した。
キム・ドヨンHLBジェネックス代表取締役は子会社HLBニューロトブの代表取締役を、チャン・イングンHLB PANAGENE代表取締役は子会社バイオスクエアの代表取締役をそれぞれ兼職する予定だ。
今回の人事は今後、各社の取締役会を経て最終選任される予定だ。
ムン・ジョンファンHLBグループ人事部門副会長は「今回の人事は戦略的集中と未来成長基盤の構築を通じ、グループの成長構造を高度化する転換点になる」と述べ、「今後は成果中心の組織運営体制をさらに強化し、責任と成果を明確にし、優秀人材を確保してグループ全般の推進力と実行力を一段と高める」と語った。
ムン・ジョンファン副会長は「ジン・ヤンゴン議長の未来戦略リーダーシップの下、系列会社間の協力はもちろん、海外事業の拡大にも弾みがつくと期待する」と付け加えた。