宇宙人工知能(AI)総合ソリューション企業のTelePIXがパレスチナ・ガザ地区の衛星画像分析結果を21日に公開した。
TelePIXは欧州宇宙機関(ESA)のセンチネル2号(Sentinel-2)衛星が撮影した2024年10月21日と2025年10月8日の映像を比較分析した。2つの衛星映像を基に建物の反射度変化をAIモデルに適用して破壊の有無を判別した結果、全体32万2968棟のうち13万4959棟(41.79%)が1年の間に破壊されたと推定した。
停戦が締結された10月10日以降も被害は続いた。停戦直後に正常と確認された18万8009棟のうち1万3503棟(7.18%)が約1カ月の間に追加で破壊されたと分析した。これは停戦後も構造物損失が継続的に発生したことを示唆する。
直近1カ月間で最も大きな被害が発生した地域はハンユニス(Khan Younis)で、計4788棟が破壊されたことが判明した。同地域はガザ地区南部の中核的な大都市で、人口密度が高く過去に貿易の中心地として知られている。
同期間に北ガザ(North Gaza)では2902棟、ジャバリヤ(Jabalia)では2345棟、ガザシティ(Gaza City)では2117棟が破壊されたことが分かった。主要居住地域と難民キャンプ、行政・経済の中心地がすべて大きな被害を受けた格好だ。
今回の分析は衛星画像の購入と前処理から、変化検出と被害定量化に至るまでの全工程をTelePIXのエイジェンティックAIソリューション「サットチャット(SatCHAT)」で実施した。
会社側は、今回の分析に用いた衛星画像は建物が密集した地域の被害程度を確認するにはやや低い解像度(10m)だったが、これを克服するためにサットチャットを積極的に活用したと説明した。サットチャットは自動変化検出と被害定量化、グリッド単位の分析機能により、低解像度の映像でも鮮明な被害パターンを抽出できる。このソリューションを活用すれば、広い地域を撮影した衛星映像を効果的に分析でき、従来の高解像度映像に比べてより迅速かつ経済的に初期被害状況を確認できる。
チェボムギュTelePIX迅速対応チーム長は「戦争や災害のようにアクセスが難しい地域で、AI衛星分析ソリューションを通じて迅速かつ客観的に被害規模を確認できる」と述べ、「TelePIXはサットチャットを通じて世界各地で起きる事件・事故をデータ化し、復旧および対応に実質的な助けとなるべく今後もサービスの高度化に力を尽くす」と語った。