韓国政府が妊娠中絶薬の導入を国政課題として確定し、Hyundai Pharmのミフジン（ミフジミソ）が注目されている。ミフジンは「経口中絶薬」で、Hyundai Pharmが4年連続で韓国への導入を推進している。
ミフジンは妊娠を維持するホルモンを抑制し子宮収縮を誘導する原理で妊娠を中止する。世界保健機関（WHO）が2005年に必須医薬品に指定し、米国、英国、フランスなど100カ国で販売している。韓国では違法であるため、中国で生産された後発薬が密輸入され、数十万ウォンでひそかに取引されている。
◇Hyundai Pharm、英製薬会社と販売権契約
Hyundai Pharmは2021年に英国の製薬会社ラインファーマ・インターナショナルとミフジンの韓国内販売権を独占契約した。Hyundai Pharmはミフジンを韓国に導入するため同年7月に食品医薬品安全処（韓国の医薬品規制当局）に品目許可を申請した。食薬処は資料の補完を要請し、Hyundai Pharmが一部資料を揃えられず許可を取り下げた。
Hyundai Pharmは2023年3月に再び食薬処に品目許可を申請したが、同様に資料の問題で品目許可手続きが暫定中断された。Hyundai Pharmは昨年12月にミフジンの品目許可を3度目として申請した。品目許可の審査結果はまだ出ていない。
食薬処は関連法の改正が必要だという立場である。食薬処関係者は「妊娠何週まで薬物を使用できるかなどを定めてこそ品目許可手続きを進められる」と述べ、「法改正が処理されなければならないため品目許可の結果が先送りされている」と語った。
◇違法薬の問題を解消する見通し
憲法裁判所は2019年に中絶罪について憲法不合致の決定を下し、翌年末までに国会に法改正を求めた。最大妊娠22週まで中絶可能とする具体的基準を提示したが、法改正は処理されなかった。
立法の空白が生じ、女性たちは違法へと追い込まれた。中絶罪は事実上消滅したが、妊娠中止薬を取引する行為は許容されていないためだ。母子保健法は強姦や遺伝性疾患がある場合に妊娠中絶手術を可能としているが、薬物に関する内容はない。
妊娠中止薬は通常ソーシャルメディア（SNS）で30万〜50万ウォンで取引されている。しかし違法な薬物は真偽が確実でなく、嘔吐や出血といった副作用が発生しても責任を問うことや病院で治療を受けることが難しい。購入履歴が露出する恐れがあるためだ。
第21代国会は薬物で妊娠を中断できるようにする母子保健法改正案を発議したが、任期満了で廃案となった。第22代国会も妊娠中止薬を合法化し、人工妊娠中止に保険給付を適用する内容の母子保健法改正案を発議している。
Hyundai Pharm関係者は「食薬処の品目許可審査結果を待っている」と述べた。Hyundai Pharmはすでに韓国でノレボ、ヤローズなど事前・事後避妊薬市場に参入している。Hyundai Pharmの昨年12月から今年8月までの売上高と営業利益は1431億ウォン、41億ウォンである。医薬品の売上高が全体売上高の83%を占める。