サムチョンダン製薬は自社開発の黄斑変性治療薬アイリーア(有効成分アフリベルセプト)のバイオシミラー「SCD411」を米国をはじめとする7カ国に供給・販売する契約にフランスが追加されたと12日に公示した。
SCD411は米国リジェネロンのアイリーアを複製したバイオシミラーで、高齢者失明の主因である黄斑変性を治療するブロックバスター医薬品(売上1兆ウォン以上)である。昨年のアイリーアのグローバル売上は約95億2300万ドル(韓国ウォン13兆3300億ウォン)に達した。
とりわけSCD411は世界で初めてプレフィルドシリンジ(PFS)型で開発されたアイリーアのバイオシミラーである。会社は2mgの低用量と8mgの高用量剤形をバイアル(瓶)・PFS剤形で開発中である。アイリーアの米国物質特許は昨年に満了しており、欧州特許も今月終了する予定である。
サムチョンダン製薬は昨年12月、米国のパートナー企業フレゼニウス・カービ(Fresenius Kabi)と、米国および中南米6カ国(ブラジル、メキシコ、パラグアイ、アルゼンチン、チリ、コロンビア)を対象に独占供給・販売権契約を締結した経緯がある。今回の訂正公示を通じて欧州市場であるフランスが新たに含まれた。
契約期間は製品販売日から20年で、20年経過時点からは2年ごとに自動更新される。契約金、マイルストン(経常技術料)、利益共有比率など金額条件はパートナー企業の要請により非公開である。
会社は欧州での承認を待っている。最近、欧州医薬品庁(EMA)傘下の医薬品委員会(CHMP)から品目承認の「肯定的見解」を受けており、通常2〜3カ月以内に最終承認の可否が決定される見通しである。
会社は6月にカナダ、8月に欧州、9月に韓国と日本でSCD411の品目承認を受けた。現在、米国・ロシア・中東などのパートナー企業とも供給契約の交渉を進めている。6月には初の輸出国であるカナダ向けの海外出荷が行われた。