2025年11月に大規模な個人情報流出事態を起こしたクーパンの利用者と決済額が事態以前を上回る水準に戻った。同期間にGマーケット・11番街・SSG.COMなど土着のEC(電子商取引)各社は利用者と決済額が同時に減少した。
9日、IGAworksモバイルインデックスによると、クーパンの8月のクレジット・デビットカード推定決済額は4兆9301億ウォンで、Gマーケット(2477億ウォン)と11番街(2414億ウォン)、SSG.COM(2383億ウォン)を合わせた金額の6.8倍に達した。今年1月に4.6倍だった格差がさらに広がったということだ。先月のクーパン決済額は1月より11.9%増えた一方、同期間にGマーケットは44.0%減り、11番街とSSG.COMもそれぞれ5.7%、7.5%減少した。クーパンの7月決済額は5兆0942億ウォンで、月次集計ベースで初めて5兆ウォンを超えた。
利用者指標でも温度差が鮮明だ。クーパンアプリの8月の月間アクティブユーザー数(MAU)は3595万人で過去最大水準だった。2月のボトム(3364万人)から231万人増え、情報流出事態以前の2025年10月(3438万人)と比べても157万人多い。これに対し、11番街の8月MAUは688万人で前月(795万人)より107万人(13.5%)減り、700万人の大台を割り込んだ。Gマーケットも616万人で1月(683万人)対比9.9%減少した。SSG.COMは285万人で、クーパンの13分の1水準にとどまっている。
クーパンの速い回復は、いわゆる「クーパン生態系」のおかげとみられる。月7890ウォンの「ワウメンバーシップ」は、送料無料・無料返品に加え、クーパンプレイの無料視聴とクーパンイーツの配達料割引までを束ねている。特にスポーツ中継に強いクーパンプレイは、8月の1カ月間に「チームKリーグ」と英国マンチェスター・シティが対戦した「2026クーパンプレイシリーズ」、ソン・フンミンが出場したリーグスカップ、最近開幕したイングランド・プレミアリーグ(EPL)2026-27シーズンを相次いで中継し、利用者が1カ月で16%増えた。6月に新規加入者向けスポーツパス料金を最大25%引き上げた後も流入が続いた格好だ。
クーパン優位の第1の柱は直仕入れだ。クーパンは商品をあらかじめ買い入れて全国の物流センターに積み置き、自社配送網で出荷する。在庫と配送をすべて自ら統制するため、早朝・当日配送と30日無料返品が可能だ。これに対しGマーケット・11番街などは大半の物量をセラーが直接宅配会社に渡す構造のため、同じ商品でも販売者によって配送期間や返品手続きがまちまちだ。消費者の立場では「いつ届くのか、気に入らなければどうなるのか」が確定しているかどうかが分かれ目になる。
クーパンはさらに、オープンマーケットのセラーが売る品までクーパン配送に取り込んでいる。セラーが商品をクーパン物流センターに入庫すれば、保管・配送・返品・顧客応対を代行する「ロケットグロース」を運営する。この商品には「販売者ロケット」バッジが付き、検索画面で優先露出され、日曜や祝日にも配送される。オープンマーケット商品だが、消費者が体験するサービスはロケット配送と同一だ。セラーの立場でも物流と顧客応対を任せ、ソーシング・マーケティングに集中できるため、規模が大きくなるほどクーパン物流網に入る誘因が高まる。
競合各社も手をこまねいているわけではない。ただ、全国単位のロケット配送網をそのまま複製するには莫大な物流投資が伴うだけに、正面対決の代わりにクーパンが相対的に埋めにくい領域を掘り下げる方向へ舵を切った。SSG.COMがイーマート店舗を配送拠点として1時間前後で商品を届ける「バロクイック」を拡大するやり方だ。
ただし、こうした投資は現時点では指標に表れていない。EC業界の関係者は「利用者が多いプラットフォームにセラーが集まり、品ぞろえと最安値がクーパンに積み上がることで、消費者がクーパンへ向かう『囲い込み効果』が出たのではないか」と語った。別の関係者は「クーパンの個人情報流出事故以降、各社がプロモーションで総力戦を繰り広げたが、ワウに縛られた顧客が動きにくいと把握している」と述べた。
例外はNAVERだ。NAVER Plus StoreのMAUは1月の697万人から8月には904万人へと約30%増えた。クーパンとの利用者格差は4倍水準まで縮まった。土着プラットフォームの中で唯一、クーパンを追撃している格好だ。ただし、NAVER Plus Storeは決済データが集計対象に含まれず、決済額の比較は不可能だ。今回の決済額はクレジット・デビットカードのデータを基に人工知能(AI)アルゴリズムが推算した数値で、実際の売上とは差がある可能性があるとモバイルインデックスは伝えた。