皮膚科でいわゆる「サーモン注射」として知られるPDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)がグローバル化粧品市場でヒットし、ビューティー業界が次世代成分の訴求に乗り出している。PDRNがKビューティーの代表成分として定着するなか、最近ではトラネキサム酸(TXA)、アゼライン酸、ポリジエルラクチド(PDLLA)など耳慣れない成分を前面に掲げた製品が注目を集めている。
7日、業界によると、ザ・ファウンダーズが運営するビューティーブランド、アヌアはPDRNに続きアゼライン酸ベースの製品を打ち出し、成分別ラインアップを強化している。アゼライン酸は皮脂・トラブル管理、肌トーン改善などに用いられる成分で、ニキビ治療薬などの医薬品にも使用されてきた。
アゼライン酸を活用した製品は他ブランドからも出ている。Craver CorporationのSKIN1004は4月、北米、欧州、日本などを狙ったグローバル専用製品「マダガスカルセンテラ アゼラインアシッド10 アンプル」を発売した。アヌアのアゼラインセラムは7月、米国アマゾンプライムデーで「ビューティー&パーソナルケア」販売上位に入った。
TXAを活用した製品も増えた。TXAはシミ、色素沈着の改善などに使われる成分で、医薬品で先に用いられた後、最近は化粧品原料として注目されている。APR(278470)のMEDICUBEは、PDRNを前面に出したピンクラインに続きTXA製品を披露した。アヌアもTXAとナイアシンアミドを配合したセラム、パッドなどを販売中である。
実際、オリーブヤングではTXA化粧品を容易に見つけられる。セラム、パッドのほか、日焼け止め、ミストなど種類が多様だ。セリマックスはTXAパッド、日焼け止め、マスクパックなどを販売している。グーダルは「青ミカン ビタC E TXA」セラムとミストを投入し、チャアンドパクはPDRNとTXAを同時に配合したアンプルを打ち出した。
PDRNはサーモンから抽出したDNA断片で、皮膚再生と回復を目的に皮膚科施術や専門医薬品に主に使われてきたが、ここ数年で化粧品へと領域を広げた。とりわけ海外ではブランド認知度よりも肌悩みや望む成分を軸に製品を探す消費者が多いだけに、成分自体が製品を知らせる重要な要素になっている。
過去にはシカ、ドクダミなど比較的なじみのある原料が人気を集めたが、最近ではPDRN、TXA、アゼライン酸のような専門的な成分名と具体的な含有量を製品名とともに表記するケースも増えている。
実際、アモーレパシフィックが昨年11月に米国アマゾンの検索データを分析した結果、アゼライン酸関連のキーワード検索量は前年同期比228%、TXAは121.7%増加した。「アゼライン酸 10%」「アゼライン酸 20%」など成分濃度を含むキーワードの検索量は直前四半期よりそれぞれ108.59%、61.84%増えた。
PDRNのように皮膚科施術を通じて知られた成分が化粧品へ領域を拡張する事例も相次いでいる。メディカルエステ企業VAIMは3月、「ジュベルックスキンケア」ブランドをローンチした。皮膚科でコラーゲン生成を助ける施術として知られるジュベルックの中核素材PDLLAを活用し、エッセンス、アンプル、マスク、クリームなどを発売した。
次世代スキンブースター成分とされるエクソソームも化粧品に活用されている。エクソソームは細胞間のシグナルを伝達する物質で、肌の回復やコラーゲン生成などを助ける成分として知られている。トムは「エクソソーム ブースト アンプル」を、ウェルダーマはPDRNとエクソソームを同時に配合したミストを販売している。
化粧品流通企業SILICON2(257720)は今年第1四半期の企業説明(IR)資料で成分トレンドの変化を指摘した。ドクダミ、リドルショット、コラーゲンジェルに続き、PDRN、TXAなどを最近のKビューティー主要トレンドとして提示した。次期トレンドとしてはアゼライン酸、コウジ酸、バブルセラムなどを挙げた。コウジ酸はメラニン生成を抑制してシミ、そばかすを改善し、抗酸化効果があるとされる成分だ。
コ・ソヒョン アモーレパシフィックのマーケターは「成分市場は昨日と今日で異なるほど急速に変化しており、成長中の成分も数カ月後には競争が激しい市場になり得る」と述べ、「顧客需要を迅速に把握して適時に製品を発売し、ラインアップを拡張するスピードが重要だ」と語った。