百貨店と免税業界の主要顧客(VIP)向けサービス競争が空港と海外へ拡張している。過去は専用ラウンジやバレーパーキングなどショッピングの利便提供に集中していたが、最近は空港への移動から海外でのショッピング、帰国後まで顧客の旅行体験全般を管理する方向へ進化している。内需不振のなか購買力が高いVIP顧客の重要性が増し、単純な割引よりも差別化された体験を提供してロイヤルティを高めようとしているためだ。

新世界免税店は13日から最上位顧客向けに「空港モビリティサービス」を運営している/新世界免税店提供

26日流通業界によると、新世界免税店は13日から最上位顧客を対象に「空港モビリティサービス」を運営している。顧客が望む場所と時間に合わせて自宅と仁川・金浦空港を専用車両でつなぐプレミアムピックアップサービスである.

出国または帰国時に利用でき、24時間運営する。新世界免税店のホームページで予約できる。搭乗人数と手荷物の規模に応じてスタリア(7人乗り・9人乗り)、カーニバルハイリムジン(7人乗り・9人乗り)、G90などを選択できる。チャイルドシートも追加でき、搭乗人数、機内持ち込み用・預け入れ用キャリーの個数、ゴルフバッグなど大型手荷物の個数を入力すればよい。予約を終えるとカカオトークで確認メッセージが届き、搭乗直前には運転手から到着の電話が来る。顧客の個人連絡先は運転手に安心番号として提供されるという。

今回のサービスは、国土交通部の許可を受けたプラットフォーム運送事業者であるレインフォカンパニーと業界で初めて単独提携して用意したという。フライト情報API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)と連動し、運航が遅延すればピックアップ日程にも反映されるという。新世界免税店の関係者は「旅行の始まりから締めくくりまで顧客体験を拡張するためだ」と述べた。

◇国内店舗を越え海外へ拡張するサービス

新世界免税店は、マリオットボンヴォイやキャセイ、中国南方航空、シンガポール航空などグローバルなホテル・航空会社と提携し、会員向けにショッピング特典とリワードも提供している。旅行と宿泊、航空のメンバーシップを免税ショッピングと連携し、旅行前の段階から顧客接点を広げる戦略である。外国人顧客を対象にホテルと空港をつなぐサービスも段階的に拡大する計画だという。

このような流れは百貨店業界でも見られる。現代百貨店はVIP顧客を対象に仁川国際空港のバレーパーキングサービスを運営しており、シンガポールのマリーナベイ・サンズや日本の阪急阪神百貨店、タイのサイアムピワットなど海外の流通企業と提携して現地のラウンジとパーソナルショッピングサービスを提供している。新世界百貨店とギャラリア百貨店も、海外のラグジュアリー百貨店との提携を通じて、国内のVIP顧客が海外でも専用サービスを利用できるよう支援している。

このようにVIPサービスの舞台は「店舗内」から「顧客の移動と旅行」へと広がっている。過去は専用ラウンジや無料駐車、バレーパーキングなど百貨店訪問過程の利便性向上に焦点が当たっていたが、最近は空港移動や海外ショッピング、グローバル提携サービスなど旅行前後まで特典範囲を拡大している。

現代百貨店がVIPサービス提携を結んだシンガポール「マリーナベイ・サンズ」の全景/現代百貨店提供

◇内需不振のなかVIP売上比率が上昇

サービス拡大が進む背景には、VIP顧客の消費パターンの変化がある。内需不振でも百貨店売上に占めるVIP顧客の比重は着実に高まっているためだ。単発の割引や景品よりも、顧客が実際に体感できるカスタマイズサービスを強化し、長期顧客の確保に注力している。

とりわけ海外旅行が日常化し、空港はVIP顧客と新たな接点を生み出す空間として浮上している。上位顧客であるほど価格の割引より時間短縮と利便性を重視するため、ショッピング自体よりも移動過程の不便を減らし、旅行全般の体験を改善するサービスが新たな競争力として定着しているとの分析だ。

流通業界の関係者は「VIP顧客は単に良い商品を購入することを越えて、どれだけ便利で差別化された体験を提供されるかを重視する」と語り、「空港移動や海外ショッピング、旅行の利便サービスのように顧客の時間を節約する体験が、今後のVIPマーケティングの中核的競争力になる」と述べた。

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