かつてコンビニの冷蔵庫を埋めていたクラフトビールが変わりつつある。過去の「4缶1万ウォン」割引イベントに合わせて雨後の筍のように登場した商品とは異なり、最近はビール愛好家の間で知名度が高い国内外ブリュワリーとの協業が増えている。単純な価格競争に頼るよりも、ビールのブランド価値とファンダムを前面に押し出す戦略を強化している様子だ。
21日関連業界によると、最近コンビニ業界は国内外の著名ブリュワリーと手を組んだクラフトビールを相次いで披露している。BGFリテールが運営するCUは、世界的なジプシーブリュワリーとして知られるデンマークのミッケラーと協業した製品を発売したのに続き、ソウル・ソンスドン、ハプチョンで醸造所を運営中のソウルブリュワリーと組んだ製品を出した。
GSリテールのGS25は日本のクラフトビールブランド、常陸野ネストとの協業製品を披露したのに続き、プレミアムクラフトビールブランドであるオリジナルビアカンパニー(OBC)とともにビール2種を発売した。従来はシャンパンやスパークリングワインを連想させる高価格の瓶製品のみを販売してきたブランドであるだけに、缶ビールの発売を通じて消費者接点を広げる趣旨だ。
価格は4500〜6300ウォン水準である。ミッケラーと常陸野ネストの協業製品は1本当たり4500ウォン、OBC協業製品は4900ウォンで販売している。ソウルブリュワリー協業製品は6300ウォンとさらに高い。まとめ買い割引は適用されるが、4缶基準の価格は1万3000〜1万7200ウォン水準で、過去の4缶1万ウォンのイベント商品と比べると高い部類である。
それでもこれらの製品が注目される理由は、ブリュワリーそのものを見て製品を選ぶ消費者がいるためである。新型コロナ時期のクラフトビールブーム当時は、コンビニや地域で名の知れたブリュワリーと協業した製品が相次いで登場したが、ブリュワリーや製品が持つ競争力よりも「クラフトビール」というカテゴリ自体に依存するケースが多かった。
しかし最近はビール愛好家、いわゆる「ビアオタク」の間で認知度が高く名声のあるブリュワリーを前面に押し出している。国内外のビール専門SNSやオンラインコミュニティでは、コンビニで販売するミッケラー、ソウルブリュワリー、釜山のゴリラブリューイングなどの製品がしばらく話題になった。製品も過去に比べて味や完成度の面で期待以上との評価が少なくない。
コンビニがこのように戦略を転換した背景は、クラフトビール市場の失敗経験と無関係ではない。コロナ期に急成長した韓国のクラフトビール市場はその後急速に停滞した。コンビニが競ってクラフトビールを発売し商品数は増えたが、大手メーカーのビールと差別化が難しく、多くの製品が「4缶1万ウォン」のイベントに組み込まれて割引販売されたことで企業の収益性は悪化した。
製品数は増えたものの味や品質の差別化が不十分だとの指摘が噴出するなか、攻勢的に投資を拡大したブリュワリーは経営難が深刻化し、閉店するところも出てきた。業界では、クラフトビールが過度な価格競争のなかでイベント商品として消費され、正当な価格評価を得られず、イメージだけが毀損されたと嘆く声が上がっている。
一度の沈滞はあったが、コンビニがクラフトビールを手放せない理由は明確だ。ハイボールとRTD(即席飲用酒類)が人気を集め、一般ビールと輸入ビールだけでは競争が難しくなったためである。加えて、コンビニ間の単独商品や差別化商品を巡る競争が一段と激しくなるなか、ロイヤル顧客を確保できるコンテンツの発掘が急務の状況だ。
クラフトビールはこの戦略にとりわけ適した商品である。特定ブリュワリーのファン層は規模は大きくないが、新製品が発売されると事前予約をしたり、直接店舗を訪れて購入するほどロイヤルティが高い。コンビニにとっては、大衆的な商品よりも規模は小さくとも確実な需要層を狙える利点がある。
ただし、まだ成否を断じるのは早いとの評価である。業界でも最近の変化をクラフトビール市場の反騰というより再編過程に近いとみている。過去には割引イベント商品や品揃え用商品の性格が強かったとすれば、いまはコンビニが差別化商品としてクラフトビールの新たな可能性を試す段階だということだ。
単に「クラフトビール」というカテゴリよりも、製造元であるブリュワリーの個性やストーリー、味と品質を細かく見極める消費者が増えた。「4缶1万ウォン」で象徴された価格競争の時代が終わりつつあり、コンビニのクラフトビールもいかに安く売るかより、誰が造ったかを打ち出す方向へと変わっている。価格競争の中で希薄化していたクラフトビールの価値が、今回は正当に評価されるかが注目される。
単に「クラフトビール」というカテゴリよりも、製造元であるブリュワリーの個性やストーリー、味と品質を細かく見極める消費者が増えた。「4缶1万ウォン」で象徴された価格競争の時代が終わりつつあり、コンビニのクラフトビールも大衆性を競うより、より細分化された嗜好とファンダムを狙う方向へと変わっている。割引イベントに埋もれていたクラフトビールの価値が、今回は正当に評価されるかが注目される。