最近、流通各所が「ポケットモンスター(ポケモン)」一色に染まっている。ことしポケモン誕生30周年を迎え、ビューティー、食品、コンビニエンスストア、百貨店など流通業界全般でポケモンの知的財産(IP)を活用したマーケティングに積極的に乗り出した結果である。
企業はキャラクターを商品パッケージに入れる水準を超え、ポップアップストア、体験型イベント、限定グッズなどを組み合わせた多様なポケモンコンテンツで消費者を引きつけている。ポケモンが単なるキャラクターを超え、集客効果が検証された興行IPとして定着したとの評価が出ている。
3日、金融監督院の電子公示システム(DART)によると、ポケモンコリアの昨年の売上高は約733億ウォンで、前年対比57.6%増加した。同期間の営業利益は約133億ウォンで49.4%増えた。同期間の広告宣伝費は82億ウォンから157億ウォンへと倍近く増加したが、業績はむしろ大きく改善した。
ポケモン30周年を前に昨年からライセンス事業とマーケティングを攻勢的に拡大した効果が業績に反映されたとみられる。ゲームから出発したポケモンIPは、アニメーションやトレーディングカードをはじめ多様な商品やイベントに活用され、グローバル市場で大規模な収益を創出してきた。
ポケモンの人気は現場で証明されている。1日、ソウル・ソンスドンで開かれたポケットモンスター・メガフェスタには約16万人が押し寄せ、イベントが一時中断される場面もあった。こどもの日に実施された「ポケモンラン」イベントはチケット5000枚が申込当日の30分で完売し、その後は上乗せ価格で取引された。ポケモンカードを中心に一部関連商品は品薄となり、価格が急騰する状況だ。
韓国の流通業界でのポケモン協業も相次いでいる。CJ OLIVE YOUNGは先月1カ月間、「オリーブヤングXポケモン」イベントを実施した。スキンケア、メイクアップ、健康機能食品など計61ブランドが参加し、約230種の協業商品を披露した。オリーブヤングNソンスは店舗全体をポケモンコンセプトで装飾し、主要店舗13カ所ではフォトゾーン、応援メッセージ領収書発行マシンなどを設置した。
オリーブヤングはここ数年、人気IPとの協業を拡大する傾向にある。サンリオ、キャッチティニピン、マングロジンゴムなどキャラクターIP協業が顧客流入効果を上げ、ことしは30周年を迎えたポケモンと組んでイベント規模を拡大した。入店中の中小ブランドのコスト負担を考慮し、IP協業費用はオリーブヤングが支援したとされる。
食品業界ではポケモンパンブームを主導したサンリプが代表的だ。サンリプはポケモン30周年を記念し、新しいシールを同封したポケモンパンを発売した。ポケモンの代表アートディレクター「スギモリケン」のオリジナルイラストが適用されたシール100種に加え、シールを保管できるシールブックも披露した。
Baskin-Robbinsはポケモンキャラクターから着想を得て開発したフレーバーを発売し、協業アイスクリームケーキ、ピカチュウ形のアイスクリーム容器グッズなどを披露した。イディヤコーヒーはポケモン飲料、キーリング、スナック皿などを相次いで投入し、イサクトーストはトーストとポケモンのメタルバッジ、ショッピングバッグを進呈するセットメニューで消費者の支持を得ている。
コンビニもポケモン特需を享受した。CUが先月披露したポケモンカードパック4種は発売3日で25万個が売れた。ポケモンカード5枚がランダムに入った商品で、約26万5000パックの限定数量で運営したが、用意した物量の96%が消化された。先月1〜11日、アプリケーション(アプリ)ポケットCUの人気検索語10個のうち約半数はポケモンパン、ポケモンカードなどが占めた。
これに先立ちロッテ百貨店は昨年年末からことし初めまでロッテタウン蚕室でポケモン冬のポップアップストアを運営し、イーマートは先月、人気ポケモンIP商品200余種を特別価格で販売するイベントを実施した。いまもオンライン上では、ポケモンをあしらった玩具、洗剤、かばんなど各種生活用品が続々と投入されている状況だ。
流通業界では、ポケモンが有する幅広く厚いファンダムに注目している。サンリオ、クレヨンしんちゃん、ティニピン、ハリー・ポッターなど人気キャラクターIPは多いが、その中でもポケモンは10代から30〜40代までを包摂する稀有なコンテンツである。10代にはゲームとカード、20〜30代にはアニメとポケモンパン、30〜40代には幼少期のゲームとキャラクターへのノスタルジーを刺激するとの評価だ。グローバル認知度も高く、近年、外国人攻略に力を入れる韓国の流通各社にとっては活用度が高い。
一方、グローバル市場でのポケモンのIP累計収益は、はるかに早く誕生した米ディズニーのミッキーマウス&フレンズやスター・ウォーズなどをすでに大きく上回っていることが分かった。日本経済新聞によると、ポケモンのIP累計収益は921億ドル(約139兆ウォン)で世界1位だ。ハローキティ(800億ドル)、くまのプーさん(750億ドル)、ミッキーマウス&フレンズ(705億ドル)、スター・ウォーズ(656億ドル)をすべて上回る水準である。