イーマートが新世界フードの上場廃止(上場廃止)を前提とした完全子会社化の手続きを進めている。業界では重複上場構造から生じる非効率を解消し、食品・外食事業の再編に乗り出したとみている。
◇ ガバナンス整理とともに事業再編が本格化
23日金融監督院の電子公示システムによると、イーマートは新世界フードを100%子会社として編入するための包括的株式交換を推進中である。取引が完了すれば新世界フードは上場廃止の手続きを踏むことになる。
金融監督院は先に2回にわたり、イーマートと新世界フードが提出した包括的株式交換・移転関連の有価証券申告書に訂正命令を付した。投資判断に必要な情報と交換比率の算定根拠をより具体的に示すべきだという趣旨である。金融監督院は株式交換比率が適切ではなく、株主保護装置が不十分だと判断したとされる。
イーマートの立場では新世界フードの株価が低い時に株式を交換するのが有利だ。イーマート株式の払出しが少なくても新世界フードの株式を取得できるためだ。当初イーマートは新世界フードの持分26.91%(104万2112株)を株式交換の方式で確保し、完全子会社として編入する計画だった。交換比率はイーマートと新世界フードの普通株基準で1対0.5031313と算定された。
しかし新世界フードが昨年、団体給食事業部門をアワーホームに約1200億ウォン規模で売却した部分に対する価値評価が適切に反映されていないというのが一部少数株主の立場だ。昨年12月から今年1月初めまで進められたイーマートの公開買付の際にも、提示価格をめぐる意見の相違で応募数量が目標値の約30%にとどまったと伝えられる。包括的株式交換方式に転換された後も少数株主の反発は続く雰囲気だ。少数株主の懇談会は24日と来月7日に実施される予定である。
イーマートと新世界フードは金融監督院の訂正要請に沿って臨時株主総会の日程も6月に延期した状況だ。イーマート関係者は「イーマートと新世界フードは現行の法令と制度に従い関係手続きを順守している」と述べ、「投資家と株主に必要な情報が十分に提供されるよう関係内容を補完するだけでなく、一般(少数)株主とのコミュニケーションも強化する計画だ」と明らかにした。
新世界フードのイーマート完全子会社編入は、まずガバナンス整理の性格が濃い。親会社のイーマートと子会社の新世界フードがともに上場していると、資本市場で子会社の価値が重複計上されたり、親会社の価値が割り引かれる問題が生じるためである。また新世界フードがイーマートの100%子会社になれば、イーマート取締役会の決断だけで迅速な事業推進が可能になる。
あわせて事業再編の性格も強いとの評価が出ている。イーマートは新世界フードを完全子会社として編入した後、意思決定構造を一元化し、グループ内の食品・外食事業のシナジーを高める方針だ。上場維持に伴うコストと業績負担から離れ、中長期戦略に集中するということだ。
また非中核事業は整理し、コア事業を強化する目標だ。イーマートは新世界フードの給食事業部の売却などを通じて事業構造を整備し、ベーカリー・食材流通・フランチャイズ(ノーブランドバーガー)など3つの軸を中心に事業再編を推進している。ベーカリーB2B(企業間取引)製品群の拡大と食材流通の競争力強化に向けた投資拡大も併せて検討中と伝えられた。
ノーブランドバーガーも中核の成長軸として育成する構想だ。創業費用を下げた小型店舗モデルを導入するなど、加盟拡大戦略を併行している。
◇ 制度変化の局面で構造改革もスピード勝負
イーマートが手続きを進める背景には、タイミングに関する判断も作用したとみられる。現在、国会では資本市場法の改正論議が進行中である。合併価額の算定時に株価だけでなく資産価値や収益価値などを反映することが骨子だ。
流通業界の関係者は「政界を中心に関連制度の改編論議にスピードがついている状況であるだけに、イーマートの立場では既存の基準が維持されているうちに急がねばならないという圧力が働いたはずだ」と述べ、「不確実性が高まる前に、現行制度の範囲内で可能な範囲の構造改革を仕上げようとする試みだ」と語った。
別の流通業界の関係者は「金融監督院の訂正要請で日程が一部遅れはしたが、今回の取引は単純なガバナンス整理ではなく事業再編も絡んだ案件であるため、途中で方向を変えるのは容易ではない」と述べ、「結局は仕上げの段階に進む可能性が大きい」と語った。
ソ・ヨング淑明女子大経営学部教授は「企業の立場では事業再編とガバナンス整理を推進するには今が適期だ」と述べ、「制度変更の可能性がある状況では、既存の基準が維持されているうちに構造改革を終えようとする意志が強まらざるを得ない」と語った。続けて「重複上場の構造では事業間シナジーが長期的には弱まる可能性があるだけに、これを整理して経営効率性を高めるのが有利だという判断の結果だ」と付け加えた。