過去にイーマート、ロッテマートと並び大手マート3強体制を築いたホームプラスが現金流動性の悪化で正常運営に支障を来すなか、今年1〜3月期は倉庫型ディスカウント店「トレーダーズ」を前面に出したイーマートが比較的明確な反射利益を得たとみられる。昨年から業界1位固めに乗り出したイーマートが、トレーダーズの競争力や店舗リニューアル、超低価格戦略などを前面に掲げ、市場再編の恩恵を先んじて吸収しているとの見方が出ている。
ロッテマートも緩和した競争環境を追い風に売上高と収益性の防衛に成功したと推定される。ロッテマートは上半期に釜山で竣工を控える自動化物流センター(CFC)を通じ、オンライン生鮮食品配送の競争力を強化する計画だ。
23日、金融監督院の電子公示システム(DART)と証券業界によると、イーマートのトレーダーズの今年1〜3月期売上高は前年同期比9.7%増の1兆0602億ウォンと暫定集計された。同期間にディスカウントストア(大手マート)部門の売上高は0.1%減の3兆0314億ウォンを記録した。収益性も改善したとみられる。LS証券は、イーマートの1〜3月期のトレーダーズとディスカウントストアの営業利益をそれぞれ前年同期比17%、1.3%増の498億ウォン、788億ウォンと推定した。
産業通商部によると昨年、全体の流通業態のうち唯一売上高が減少したチャネルは大手マートで、前年比4.2%減った。このような市況でもイーマートは国内の店舗と商品への投資を積極的に拡大してきた。こうした先制対応がホームプラスの経営難で引き起こされた市場再編と相まって実際の成果につながっているとの評価が出ている。
イーマートは昨年、マート部門の設備投資に前年より55.8%増の3331億ウォンを執行した。トレーダーズ麻谷店(2月)、イーマート高徳店(4月)、トレーダーズ九月店(9月)など店舗3カ所も新規オープンした。
イーマートは今年も下半期中に議政府市でトレーダーズの新規店舗を開設し、既存の大手マート店舗7カ所は体験型コンテンツを強化したモールタイプ店舗やスターフィールドマーケット形態へとリニューアルする計画だ。またイーマートは昨年8月、品目の大半を5000ウォン以下で構成した自社ブランド「5K PRICE」を発売し、最近は1万ウォン未満の小型家電まで商品群を拡大して価格競争力の強化にも注力している。
ロッテマートもホームプラスの店舗縮小に伴う競争緩和の効果を一部享受し、売上高と収益性の防衛に成功したとみられる。教保証券によれば、ロッテマートは今年1〜3月期のディスカウントストア部門で前年同期比2.7%増の売上高1兆6643億ウォン、4.0%増の営業利益293億ウォンを記録したと推定された。ただしこの数値には海外事業の実績が含まれており、国内事業のみでみると伸びは限定的だとの分析も出ている。
ロッテマートは今年上半期、釜山に初の先端自動化物流センター(CFC)の竣工を控えている。下半期からオンライン生鮮食品配送の競争力を強化し、NAVER・Kurly連合などとの競争を本格化する計画だ。ロッテマートは英国のリテールテック企業オカドのスマートプラットフォームを導入し、2030年までに9500億ウォンを投資、全国6つの広域圏にCFCを順次構築している。
一方、ホームプラスは企業再生手続きに基づき店舗の構造調整を進めている。ホームプラスは再生計画案で、6年間で不採算店舗41カ所を整理し、このうち19カ所を年内に閉鎖する計画を明らかにした。
ホームプラスの店舗数は2024年末の126カ所から現在は107カ所に減った。資金難で商品を円滑に供給できない状況が続き、顧客の来店が減少し、テナント企業の売上高が減る悪循環も繰り返されている。
ホームプラスは企業型スーパーマーケット(SSM)子会社のホームプラスエクスプレスを売却して運転資金を確保し、経営正常化を図る構想だ。最近締め切られた公開入札ではHarim Groupの系列会社NSホームショッピングが優先交渉対象者に選定された。業界では売却代金を3000億ウォン前後と推算するが、累積損失を埋める水準にとどまる可能性があるとの見方も出ている。
イ・ジニョプ・ハンファ投資証券研究員は「ホームプラスの資金不足に伴う営業力低下で、大手マートの競争相手であるイーマートとロッテショッピングの受益可能性が高い」と述べ、「特にイーマートの場合、全店舗132カ所のうちホームプラスと競合する店舗が約70カ所と把握される」と語った。