ドバイもちもちクッキーに続くバター餅などの菓子類の流行サイクルが短くなり、製菓業界が苦慮している。ソーシャルメディア(SNS)を中心に流行が一段と速く生まれては消える構造のなか、大量生産体制を備えた製菓企業はリアルタイム対応が構造的に難しいためだ。
16日関係業界によると、最近の製菓各社は急速な流行をやみくもに追うより、限定版の発売で消費者の反応を見極めている。工場設備、原材料の調達、物流まで考慮しなければならない大量生産の構造上、ますます速く変わる流行に合わせた即時の製品投入が難しくなっているためだ。新製品の開発から生産まで時間と費用がかかり、流行が過ぎた後に発売される場合はかえってリスクが大きいという見方も出ている。在庫および運営コストの増加も負担要因に挙がる。
実際にドバイもちもちクッキーなどトレンドを反映した製品を製菓企業が発売すると、すでに流行は終わったという認識が生じるという消費者の反応も出ている。過度に速い流行サイクルと製造業の生産構造の乖離が、新製品ヒットの不確実性を高める要因として作用している。
製菓業界関係者は「メーカーの立場では大量生産をしているため、流行に合わせた即興的な生産が難しい。遊休設備がない限り新しい味の製品を出すには別ラインを稼働させなければならない」と述べ、「大量生産となると販売チャネルとの協議も必要で、新製品が消費者に届く時点では流行が終わっている場合も多い」と語った。
これに伴い製菓業界は限定版製品で市場反応をテストする戦略を活用している。Orion・ロッテウェルフード・ヘテ製菓食品などは、既存ブランドに新しい味やコンセプトを適用した限定版を発売し、その反応に応じて常設製品への転換可否を決めている。例えばOrionは最近、春シーズンに合わせて「しっとり黄チーズチップ」を限定版で発売した。2月発売後にSNSなどで流行し品薄が深刻化しリセール価格まで上がると、Orionは最近少量の追加生産を決定した。
通常、メーカーは3カ月以上使用できる分量の原材料在庫を確保している。限定版製品は計画した数量だけ確保すればよいため、流行の急変に伴うリスクを抑えられるという。
ただし限定版でも開発・生産の負担は小さくない。これにより業界は、実績のある「長寿ブランド」を軸に流行要素を加えて投入する方式を選んでいる。長寿ブランドの低糖・ゼロカロリー・プレミアムのラインアップを拡大する形だ。ロッテウェルフードの「モンシェル」、「テジバ」、ヘテ製菓食品の「ホームランボール」、ピングレの「メロナ」など既存製品に味の変奏やプレミアム要素を加える方式でリスクを最小化している。
あわせて業界では、限定版の投入すら負担となる場合、ポップアップストア(臨時店舗)などを活用した市場性テストも実施している。急速に変化する消費トレンドのなかで、その対応と収益性の均衡を取る戦略が重要課題になっている。
製菓業界関係者は「特定の商圏や特定企業との協業によるポップアップストア運営で新製品の事前反応を一部テストすることが解法になり得る」と述べ、「人気に後れを取らず、既存ブランドを拡張する方策を継続的に模索している」と語った。