低価格コーヒーフランチャイズの首位企業メガMGCコーヒー(以下、メガコーヒー)がホームプラスエクスプレスの買収戦に参入した。コーヒー事業と接点が多くないオフライン流通チャネルの確保に動いたことから、業界ではその背景に注目が集まる。単なる外形拡大を超えた戦略的な動きという見方とともに、事業構造上の無理なベッティングだとの懸念も出ている。

イラスト=ソン・ミンギュン

4月3日流通業界によると、最近のホームプラスエクスプレス売却に向けた買収意向書(LOI)受領の結果、2社が参加したと伝わった。売却主幹事の三日PwCは、既に意向書を提出していない企業でもこの日の公告以降デューデリジェンスに参加し、4月21日の本入札に参入できるとの立場だとされる。既に参加したところの一つはメガコーヒーを運営するエムジーシー(MGC)グローバルだと知られている。エムジーシーグローバル側は今回の買収戦に参加した理由と買収後の計画について口を閉ざしている。

ホームプラスエクスプレスは全国に293店舗を保有している。このうち約200店舗はクイックコマース(注文後1〜2時間以内配送)の拠点として活用中だ。年間売上高は1兆1000億ウォン水準である。ただし更生手続きなどを経る中で企業価値は3000億ウォン水準まで低下した状態だ。

エムジーシーグローバルの筆頭株主は、食品素材流通企業BoraTRのキム・デヨン代表理事会長が設立したウユンパートナーズだ。2021年にプライベートエクイティのプレミアパートナーズと共に5対5の比率で1400億ウォンを投資し、エムジーシーグローバルの前身であるエンハウスを買収した。その後昨年、エムジーシーグローバルがプレミアパートナーズの投資金を全額返済し、キム会長の単独経営体制へと再編された。

業界では期待と懸念が交錯している。まずメガコーヒーの今回の動きを「流通事業拡張」の延長線と解釈する雰囲気がある。ウユンパートナーズがエムジーシーグローバルの筆頭株主である以上、BoraTRとメガコーヒーが事実上同一の支配構造下にあるという点からだ。BoraTRはイタリア・ギリシャ・スペイン・フランスなど約90の海外食品企業から700種類を超える食材を導入し、韓国の約1900の取引先に供給している。昨年の売上高は1023億ウォン、営業利益は91億ウォンを記録した。

ソウル江南区に位置するメガコーヒー本社の様子。/News1

◇ コーヒーを越え流通へと拡張を試みる可能性

このような構図を勘案すれば、メガコーヒーの今回の買収戦参加は単純な流通チャネル確保を超え、食材調達から流通・販売まで続くバリューチェーン構築を試みるものとみられる。流通業界関係者は「全国に分布するホームプラスエクスプレスの店舗網を都心物流拠点として活用する場合、食材流通がB2B(企業間取引)からB2C(企業と消費者間取引)まで事業領域を拡張できる」と述べ、「ホームプラスの流通網を確保し、戦略的な垂直統合を試みるということだ」と語った。

業界の一部では「ショップ・イン・ショップ(Shop-in-shop)」形態での事業拡張の可能性も取り沙汰されている。BoraTRが保有するプレミアム食材を活用して売場内に別途の販売空間を構成する、あるいは既存のホームプラスエクスプレス店舗に差別化された飲食コンテンツを組み合わせる方式などだ。

現在メガコーヒーは収益性と成長性を同時に確保し、攻勢的拡大の基盤を整えた状態だ。メガコーヒーの2024年売上高は4960億ウォン、営業利益は1076億ウォンを記録した。いずれも直前年度比でそれぞれ34.6%、55.1%増加した数値だ。

ソウル市内のホームプラスエクスプレス店舗の風景。/News1

◇ コーヒーフランチャイズとは全く異なる事業構造

ただし事業構造の違いに伴うリスクも小さくない。メガコーヒーが加盟店中心の軽量構造で迅速に店舗を拡張し収益性を確保してきた一方、企業型スーパーマーケット(SSM)であるホームプラスエクスプレスは直営比率が高く、人件費・賃料など固定費負担が大きい事業だ。店舗運営と物流システム、人員承継、在庫管理など同時に解くべき課題が山積しているだけに、既存のフランチャイズ方式のまま運営する場合は収益構造が急速に崩れかねないとの分析が出ている。

流通業界では異種業種間のM&A(合併・買収)が期待ほどの成果につながらないとの評価もある。生鮮食品の早朝配送に特化した企業であるオアシスマーケットがECプラットフォームのTMONを買収したが、現在に至るまでブランド再整備とサービス正常化の過程で難航しているのが代表的事例とされる。

流通業界関係者は「メガコーヒーにとっては店舗網と物流拠点を一度に確保できる機会だ」としつつも、「ただし事業構造と運営方式が全く異なり、全般的なオペレーション体制を新たに組み直さねばならないため、実行難度は高いだろう」と述べた。

ソ・ヨング淑明女子大学経営学科教授は「コーヒー市場が飽和段階に入りつつある中で、事業多角化が必要だとの判断のもと、新たな収益モデルを作るための基盤を探したとみられる」とし、「もし買収に成功するなら、収益モデルをどう設計し実行するかによって成果が分かれるだろう」と述べた。

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