クーパンの5万ウォンクーポン使用で訴訟権利制限を警告

クーパンが個人情報流出の被害顧客全員に5万ウォン相当の補償クーポンを支給するとしたが、法曹界では当該クーポンを使用しないよう警告が出た。

クーパンを相手取り損害賠償請求訴訟を進めている法律事務所イルロは29日、集団訴訟参加者のカフェに警告文を掲載した。イルロ側は今回の補償案が現金賠償ではなく、自社商品購入時に割引する方式である点を指摘した。これはクーパンが費用負担を最小化しつつ顧客の追加消費を誘導しようとする責任回避的な措置だという説明である。

特に5万ウォンクーポンが4つのカテゴリーに分かれており、全体の恩恵を受けるには少なくとも4回以上の個別購入が強制される点も問題視された。過度な消費を誘導しているとの批判である。

最も懸念される点は法的権利制限の可能性である。イルロ側はクーポン使用時に「当該補償ですべての賠償が完了したものとみなし、今後民事・刑事上の異議を提起しない」との内容の「不提訴合意条項」が約款に含まれた可能性を警告した。

不提訴合意は、紛争当事者間で円満に妥協したため、以後民事・刑事上の異議を一切提起しないという意味を含む法律用語である。不提訴合意が成立すると、その後進行される損害賠償訴訟で不利益を受けたり、参加自体が制限される可能性がある。

また、クーパンのクーポン自動適用システムにより利用者の意思と無関係にクーポンが使用された場合、後日に算定される損害賠償額が減額されるおそれがあるとの指摘も出た。これを踏まえ、イルロ側は本人も知らない不利益が発生し得るためクーポンの使用を控えてほしいと呼びかけた。

先にクーパンは個人情報流出事故に対する責任を痛感するとして、流出通知を受けた3370万アカウントの顧客全員に1人当たり5万ウォン相当のクーポンを支給すると発表した。