クーパンが大規模な個人情報流出事態に関する自社調査結果と消費者補償計画を米証券取引委員会（SEC）に開示した。しかし、今回の調査が韓国政府と調整されないまま一方的に発表されたという内容は含まれておらず、投資家に不利な情報を除いた「不十分な開示」だとの論争が提起されている。
29日（現地時間）クーパンはSECに提出した報告書を通じて、16日に公示したサイバーセキュリティ事故に関する後続調査結果および顧客補償プログラムを案内した。クーパンは「現在までの調査結果、加害者が約3300万件のアカウントにアクセスしたが、実際に保存したデータは約3000件に過ぎず、当該データは第三者と共有されない状態で削除された」と明らかにした。
これはクーパンが25日に国内で発表した自社調査結果と同じだ。しかし当該発表後、韓国政府は即座に反発し遺憾を表明した。科学技術情報通信部は「クーパンが発表した内容は民官合同調査団によって確認された事実はない」と線を引いた。ソウル警察庁も「クーパン側が提出した陳述書やノートパソコンなど証拠物を分析中だ。事実関係を綿密に確認する」と述べ、捜査が進行中で確認すべき事案が残っている点を強調した。
ただし、クーパンは開示で、調査過程全般が政府の要請と指揮の下で進められたと明らかにした。クーパンは政府が1日にクーパンに全面的な協力を要請し、2日に公式書面公文を送達したと記した。その後クーパンは数週間ほぼ毎日政府と協力して流出者を追跡・接触し、自白確保、関連機器回収、フォレンジック資料確保などの過程で政府の指示に従って動いたと説明した。
「セルフ調査」論争については「政府の指示に従い数週間進めた調査だった。政府の監督なしにクーパンが調査を行ったという持続的な誤報が虚偽の不安感を醸成している」と述べた。
政府は30日、国会で開かれた連席公聴会でクーパン側の立場を再反駁した。裵慶勲（ペ・ギョンフン）副首相兼科学技術情報通信部長官は「3300万件以上の名前とメールが流出し、個人情報保護委員会、警察庁、民官合同調査団でこの事実を確認した」と語った。続けて「クーパン側が合意されていない結果を事前に発表したことについて深刻な懸念を表したい。極めて悪意のある意図があると考える」と付け加えた。
開示は消費者補償案についても「11月末に情報流出の通知を受けた顧客を対象に約1兆6850億ウォン（約12億ドル）規模のクーポンを提供する補償案を推進する」と明示した。クーパンは当該クーポンが各取引に対する販売価格および売上高から差し引かれる方式で適用されると説明した。
クーパン側が前日に発表した補償案は、ロケット配送・ロケット直購・販売者ロケット・マーケットプレイスのクーパン全商品（5000ウォン）、クーパンイーツ（5000ウォン）、クーパントラベル商品（2万ウォン）、R.LUX商品（2万ウォン）などで構成されている。しかし、実際に顧客が多く利用するクーパンとクーパンイーツに対する補償金額は1万ウォンに過ぎず、残りの4万ウォンはクーパンの別サービスに割り当てられた点で批判を受けた。
ハロルド・ロジャースクーパン臨時代表はこの日の公聴会で、より積極的な補償案を出す計画があるかという共に民主黨のキム・ヒョンジョン議員の質疑に「我々が示した補償案は1兆7000億ウォンに達する。これは前例のない水準だ」と答えた。