グローバル旅行業界でスポーツが新たな成長軸として浮上するなか、ノルユニバースがスポーツ商品のポートフォリオ拡大に乗り出している。冬季オリンピックやワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、ワールドカップなど国際スポーツイベントが相次ぐ来年を起点に、韓国でもスポーツ旅行需要が増える見通しだからである。
8日、関係業界によると、ノルユニバースはスポーツ旅行分野の強化に向け、関連商品のポートフォリオを広げている。従来のサッカー・野球・フォーミュラワン(F1)に加え、テニス・全米プロバスケットボール(NBA)・ナショナルフットボールリーグ(NFL)などへ分野を拡張し、コンテンツも広げる構想だ。これに向けて、選手ロッカールーム・メディアエリアを体験できるスタジアムツアー、現地サーキットでのドライビング体験、スポーツコーチから直接学ぶ野球クラスなど、多様な体験型要素の導入を検討している。
ノルユニバースは、他のファンと経験を共有する「遠征隊」および「コミュニティ基盤のテーマ旅行」ラインアップも強化する構想である。ノルユニバース関係者は「単に試合を現地観戦することを超えて直接体験し、他の人々とともに思い出を作れるよう、商品を高度化していく計画だ」と述べた。
ノルユニバースがスポーツ旅行分野の強化に乗り出したのは、関連需要が増加しているためである。グローバル市場分析機関フォーチュン・ビジネス・インサイツによると、世界のスポーツ観光市場規模は昨年の6,186億ドル(約909兆ウォン)から2032年に2兆895億ドル(約3,000兆ウォン)へ成長する見通しだとされた。
国連観光機関(UN Tourism)は、スポーツ観光が世界の観光支出の約10%を占めていると分析した。スポーツイベント自体が観光の触媒となり、宿泊・航空・飲食・交通・エンターテインメントなどの連関消費効果も高いためである。
ノルユニバースによると、24/25シーズンの欧州サッカーチケットの予約件数は前シーズン比で2倍以上に増えた。イングランド・プレミアリーグ(EPL)だけでなく、ドイツ、フランスなどで韓国出身選手の進出が活発化し、各地域リーグのみならずチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなどへの旅行需要も拡大したためだ。
またノルユニバースは、今年の映画「F1 ザ・ムービー」の世界的ヒットを追い風に、F1関連商品の取引額が前年対比で90倍に増加する成果を上げた。ノルユニバース内のメジャーリーグベースボール(MLB)商品の取引額も前年対比で70倍成長した。固定ファンダムの多いニューヨーク・ヤンキースの試合に加え、韓国選手が所属するサンフランシスコ・ジャイアンツ、ロサンゼルス・ドジャースなどが高順位を占めた。
旅行業界では、各種大規模スポーツイベントが密に控える来年を起点に、スポーツ旅行市場が爆発的に成長するとみている。2月にはミラノ—コルティナ・ダンペッツォ冬季オリンピック・パラリンピックが開催され、台湾・台北、米国アリゾナ、プエルトリコ・サンフアン、日本・東京など世界各地でワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の予選と本選が進行する。
続いて6月にはカナダ、メキシコ、米国が共同開催する北中米ワールドカップが開催される。今回のワールドカップの参加国は従来の32カ国から48カ国へ拡大し、過去最大規模のワールドカップとなる見通しだ。9月にはアジアの祭典である愛知—名古屋アジア大会が開催される。
ノルユニバースは旅行の現地アクティビティ(体験活動)や移動商品などを推薦するシステムを高度化し、顧客の利便性を高める構想だ。ノルユニバースの関係者は「旅行者が見落とし得る交通、通信など現地の必須項目を案内・推薦することで、顧客が旅行中に必要とするすべての要素をプラットフォーム内で手軽に見つけられるよう支援する予定だ」と述べた。