三養グループはスペシャルティ事業を担う化学2グループを中心に収益性の向上に拍車をかけていると3日に明らかにした。
半導体素材を製造する三養NC Chemとパーソナルケア素材を生産する三養KCI(KCI)は事業領域は異なるものの、スペシャルティ事業のポートフォリオ拡大とグローバル市場進出という戦略を土台に中核系列会社へ台頭していると三養グループは説明した。
三養NC Chemは半導体用フォトレジスト(PR)素材であるポリマー(Polymer)と光酸発生剤(PAG)を生産する三養グループの化学系系列会社である。半導体と先端パッケージング分野で日本企業が独占していたPRの核心素材を2015年に独自技術で国産化し、韓国の半導体素材自立化に寄与した。
2021年に三養グループへ編入された以降は先制的な投資と設備増強を通じて年間生産規模を拡大してきた。年間生産規模はPR用ポリマー240トン(t)、光酸発生剤20トンで国内最大規模である。年間約2000億ウォン規模を消化できる設備である。
三養NC Chemは継続的な研究開発を通じて自社生産可能な製品ポートフォリオも拡大し、フッ化クリプトン(KrF)素材のみならず次世代半導体の核心素材であるフッ化アルゴン(ArF)、極紫外線(EUV)用素材へと製品群を多角化するなど、技術競争力を高めている。
大規模生産設備の構築と高付加価値製品の拡大、品質管理の技術力は業績に反映されている。三養NC Chemは今年3四半期累計の売上高898億ウォンを記録し、前年同期比11%増加した。営業利益と純利益はそれぞれ128億ウォン、109億ウォンで、それぞれ60%、73%伸び、過去最高の3四半期累計ベースの業績を達成した。
三養KCIは化粧品・パーソナルケア素材の専門系列会社で、今年3四半期累計の売上高890億ウォン、営業利益88億ウォンを記録した。このペースであれば、今年の通年売上高は昨年の1100億ウォンを上回る過去最高を更新する見通しである。
三養KCIはロレアル、P&Gをはじめ世界40余りの国、120余りの生活消費財企業に70余種の化粧品およびパーソナルケア素材を供給している。主力製品は、自然由来高分子ヘアケアコンディショナーのPQ-10とグアー(Guar)誘導体、皮膚親和性を強化した保湿剤ポリクオタニウム(Polyquaternium)-51などのカチオン界面活性剤である。足元では天然由来の環境配慮型製品の競争力を強化し、新規市場開拓に拍車をかけている。
今年3四半期累計売上高890億ウォンのうち海外輸出は742億ウォンで、輸出が占める比率は約83%に達する。世界的にパーソナルケア産業が高成長しており、新興市場が生まれていることから、海外売上の比率はさらに高まる見通しだと三養グループは伝えた。
三養KCIは人体の細胞膜の主成分であるリン脂質(Phosphoryl choline)を模倣したMPC(2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine)とMPC誘導体を開発し、新市場開拓に乗り出した。MPCは生体適合性の特徴を持つ物質で、現在はコンタクトレンズ分野に使われており、医療用品への適用に向けて国内外の複数機関と研究を進めている。MPC誘導体は最近、産業通商資源部が主管する「2025年世界一流商品」に新規選定された。
三養KCIは優れた素材技術力が評価され、9月にロレアルがフランス・パリで開催した「Suppliers Day」に国内の化粧品原料メーカーとして唯一招待を受けた。