給食事業者の現代グリーンフードがケアフード（介護食）ブランド「グリーティング」に力を入れる方式で組織を改編した。グリーティングは「Great」と「Eating」を合わせた造語で、健康管理のためのケアフード専門ブランドである。たんぱく質、低糖、低カロリーなど健康目標別のカスタマイズ食だけでなく、がんや糖尿など特定疾患向けの食品医薬品安全処（韓国の規制当局）認証メディフードも提供する。
7日に関連業界によると、現代グリーンフードは最近実施した「2026グループ定期人事」とともに定期組織改編を行い、グリーティング事業部をグリーティング事業本部に格上げした。ケアフードを含むグリーティング事業部に力を入れる意志を示したものだ。
これにより、代表理事傘下の組織は既存の商品本部、流通外食本部、フードサービス事業本部の3本部にグリーティング事業本部が加わった。これまでグリーティング事業部は団体給食を行うフードサービス事業本部に含まれていた。
現代グリーンフードがグリーティングブランド事業に集中する理由は、韓国の人口構造が急速に高齢化しているうえ、1人世帯が増加しているためである。年齢を問わず健康管理への関心も高まっている。
ムン・ジョンフンソウル大農経済社会学部教授は「メディフードを病者食に限定すれば市場は小さいが、健康に関心が高く、健康管理を先制的に行いたい消費層を取り込めば市場は大きい」と述べた。
給食事業部門ではこれ以上の成長が難しいとの判断も作用した。団体給食市場はハンファグループのアワーホーム、サムスングループのサムスンウェルストーリー、CJグループのCJ フレッシュウェイ、現代百貨店グループの現代グリーンフードの4社が市場の80%を占めている。
このうち現代グリーンフードは汎現代系グループ案件の継続性に備える立場にある。2020年の公正取引委員会資料によると、現代グリーンフードは現代自動車グループと現代重工業グループから4400億ウォンを受注した。当時フードサービス部門の売上高が6300億ウォンであった点を踏まえて計算すると、汎現代系の比率は69%水準である。
現代グリーンフードはグリーティング事業の定着に向け、積極的に改善に乗り出している。7月にはシニア向けに提供していたグリーティングの簡便食完成品のサブスクリプションサービスを中止した。汁物、スープ、チゲとおかずがすべて含まれた一汁多菜型のサブスクリプションサービスの需要が多くないと集計されたためだ。シニア世帯は、青壮年の1人世帯や共働き世帯とは異なり、自ら食事を用意する場合が多いためである。代わりに単品製品を添えるケースは多いと判断し、この部分を強化することにした。
企業間取引（B2B）部門はさらに強化する計画だ。現在、現代グリーンフードはケアフードを療養病院や養老院、福祉館などに納品している。
食品業界では現代グリーンフードの動きに神経を尖らせている。シニア市場に関与していない食品会社は少ないためだ。メイル乳業とhyはたんぱく質強化飲料や乳酸菌飲料を活用してシニア市場を狙っている。総合食品会社のオットゥギも昨年、B2Bの新規事業としてメディフードのスタートアップ「イッマプル」に持分投資を行い、事業機会を狙っている。ただし投資や商品開発、事業組織などを総合的に見た場合、現代グリーンフードが優位にあるとの評価が大勢だ。
食品業界関係者は「現代グリーンフードが事業本部を設けたというのは、今後の成長局面を十分に数字でも具現化でき、究極的に企業価値を高める役割を果たす時期だと内部で判断したことを意味する」とし「現代グリーンフードがこの分野では競争力を備えたという意味だ」と述べた。
現代グリーンフード関係者は「グリーティングは2020年以降、会社の中核成長動力の一つとして定着した」とし「事業本部新設を機に事業拡張はもちろん、国内ケアフード市場の成長を主導していく」と述べた。