イオタプロジェクトの鳥瞰図。/イージス資産運用 提供

ソウルのA級オフィスの空室率は上昇したが、企業の新規オフィス契約は5四半期ぶりの最大となった。都心で大型オフィスが新たに供給され、全体の空室率は上がったものの、既存ビルの空室率はむしろ低下した。企業が立地や設備、ワークプレース環境に優れたビルへ移る「優良オフィス志向」が鮮明になり、既存ビルもテナントをつなぎ留めるため相次いで刷新に乗り出している。

22日、不動産コンサルティング会社CBREコリアによると、今年第2四半期のソウル3大業務エリアA級オフィスの平均空室率は4.2%だった。前四半期比で1.4ポイント上昇した。都心エリア(CBD)が6.6%で最も高く、ヨイドエリア(YBD)3.1%、カンナムエリア(GBD)1.3%の順だった。

全体の空室率上昇は、G1ソウルやルネスクエアなど都心で新規供給された大型オフィスの影響が大きかった。新規供給分を除けば、都心エリアの既存オフィスの平均空室率はむしろ下落した。

企業のオフィス需要も鈍っていない。第2四半期のソウルA級オフィスの新規賃貸面積は14万3881㎡で、2025年第1四半期以降で最大だった。企業が一斉にオフィスを縮小したのではなく、立地や設備、ワークプレース環境がより良い建物へ移っていることを意味する。

賃借需要は、新築かつ広い基準階と優れた電力・通信設備を備えたプライム級オフィスに集中している。グローバル資産運用会社のブラックロックは国内事業拡大に伴い人員が増え、ソウルファイナンスセンターからリモデリングを終えたグランソウルへ移転した。新オフィスは従来より約2倍広いとされる。

既存のプライムビルもテナントを引き留めるためのリニューアル競争に入った。昨年からセントロポリスとグランソウル、ソウルファイナンスセンターなどソウル都心を代表するビルが共用空間とアメニティの改善を進めた。テピョンノビルやウルジツインタワー、グランドセントラルなども設備改修に乗り出した。過去には竣工から数十年経過した老朽ビルが主にリモデリングしていたが、最近は竣工10年に満たない建物までリニューアルに踏み切る様相だ。

ソウル江南圏業務地区の全景。/ChosunBiz DB

企業が求めるオフィスの基準が高まったためである。最近は内装だけでなく、従業員向けアメニティや電力・ITインフラ、非常時にも業務を継続できる設備などが賃借の判断に影響する。建物が物理的に老朽化していなくても、こうした機能を備えていなければ競争力と資産価値が低下し得る。

ソウルのオフィス市場の競争は一段と激化する見通しだ。今後4年間で都心エリアだけでも約175万㎡の新規オフィスが供給される予定である。2030年前後の竣工を目指すGBCやソウル駅北部駅勢圏開発事業、イオタソウル、ソリプル複合開発などの大型案件も控えている。

大企業やグローバル企業の社屋移転は、候補地の検討から契約、内部設計、実際の入居まで数年を要する。業界では、2030年前後に誕生するオフィスを巡り、テナント誘致競争が予想より早く始まる可能性があると見ている。

不動産業界の関係者は「既存ビルはリニューアルで、新築ビルは新たな設計と設備で競争力を確保すべき市場になった」と述べ、「大型新築オフィスが本格的に供給されれば、ソウルでの『良いオフィス』の基準も一段引き上がるだろう」と語った。

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