「ソウル〜釜山20分」の移動を目標とする次世代超高速交通手段ハイパーチューブについて、政府出資研究機関が国民対象のアンケート調査に乗り出すことが確認された。ハイパーチューブが商用化されれば、交通網のみならず国土空間構造、産業立地、居住形態にも影響を及ぼし得るため、技術開発に先立ち国民の期待と懸念をあわせて把握する趣旨である。
1日関係機関によれば、韓国鉄道技術研究院は今年下半期、全国の満19歳以上の成人男女1000人以上を対象にハイパーチューブに関するアンケート調査を実施する予定である。調査項目にはハイパーチューブの認知度、導入の必要性、期待効果、懸念要因、今後の利用意向などが含まれる。鉄道研は調査結果を今後の研究方向と政策検討に反映する計画だ。
専門家調査も併せて行う。学界と研究機関、公共機関、産業界の専門家20人を対象に、ハイパーチューブ導入が国土空間と産業構造、労働市場、人口移動に及ぼす影響を問う予定である。超高速交通網を単なる移動手段ではなく、国家の空間構造を変え得るインフラとして捉えてアプローチするということだ。
調査は首都圏と東南圏、大慶圏、中部圏、湖南圏、カンウォン特別自治道、チョンブク特別自治道など全国主要圏域を対象に実施する。地域別の認識差を確認するため、地方の中小都市も調査対象に含める。ハイパーチューブが特定地域の交通利便性だけを高める事業ではなく、全国単位の生活圏と産業地図を変え得るという判断からである。
ハイパーチューブは、世界的にハイパーループと呼ばれる超高速真空列車技術の韓国型名称である。真空に近いチューブ内で磁気浮上方式により車両を浮上させて移動させる方式だ。空気抵抗と摩擦を減らし、航空機並みの速度を出すことを目標とする。商用化されればソウルと釜山を20分前後で移動できるとの期待から、「夢の交通手段」と呼ばれてきた。
ハイパーループの概念は、イーロン・マスク・テスラ最高経営責任者(CEO)が2013年に構想を公開して以降、世界的に注目を集めた。米国や欧州、中国などでは試験線の構築や技術標準、安全基準の策定に向けた議論が続いている。ただし、まだ本格商用化段階に至った事例はない。
鉄道研はハイパーチューブを次世代鉄道技術であると同時に、国土均衡発展と連携し得るインフラとみている。首都圏と地方の主要拠点が超高速で結ばれれば、長距離通勤や地域間の産業連携が容易になる可能性がある。先端産業拠点の配置や地方の定住条件にも影響を及ぼし得る。
不動産市場にも波及が予想される。ハイパーチューブの路線が具体化すれば、既存の高速鉄道や広域鉄道と同様に、どの地域が先に接続されるかによって工業団地や住宅地、商業地の評価が変わり得る。超高速交通網が首都圏集中を緩和するのか、むしろ首都圏へのアクセスを高めて一部拠点への偏在を強めるのかも今後の争点だ。
ただし乗り越えるべき課題も少なくない。低圧チューブを長距離で安定的に維持する技術、緊急時の対応体制、莫大な建設費、既存のKTX・SRT・航空との役割分担などが代表的だ。
鉄道研関係者は「今回の調査はハイパーチューブを技術開発の次元でのみ見るのではなく、国民が実際にどの点を期待し、何を懸念するのかを確認する手続きだ」と述べ、「国民認識と期待効果、懸念要因を総合的に把握し、今後の政策方向と研究に反映する」と語った。