韓国政府が多住宅者の譲渡所得税重課猶予が終了する9日まで土地取引許可の申請を受け付けるため、土曜日にもソウルと京畿道の一部地域で区庁の窓口を開けることにし、一部の仲介業者では「超緊急売り」を掲げて多住宅者の物件売却に乗り出した。ただし大半の仲介現場では、すでに「売る多住宅者はすべて売った」という雰囲気が蔓延している。住宅をどうしても売らなければならない多住宅者は、土地取引許可の不許可を懸念して事前にすべて売却したということだ。買い手の立場でも土地取引許可の申請に向けた書類準備を終えたケースが多く、今さら遅れて申請する事例は多くないだろうという見方が出ている。
8日、韓国政府と仲介業界によると、ソウルの25自治区庁と京畿の12市庁・区庁は、土曜日である9日にも土地取引許可の申請受け付けを通常通り運営する。9日は多住宅者の譲渡税重課猶予の終了日だ。韓国政府と自治体は韓国公認仲介士協会などを通じ、各公認仲介所に対し、土地取引許可の受け付けを午前9時から午後6時まで行うので参照してほしいという趣旨の公文を配布したとされる。
こうした韓国政府の決定を受け、一部の仲介業者では土壇場まで「超緊急売り」を掲げた物件が出た。ソウル永登浦区のある公認仲介業者は「明日(9日)まで区庁が業務をするため土地取引許可の申請が可能になり、最後の緊急売りが可能だ。5000万〜1億ウォン程度の価格調整ができる」とし、「まもなく緊急売りは消え、価格が急騰する予定だ」と宣伝しながら多住宅者の売り物件を紹介した。
ただし仲介現場では、こうした緊急売りを拾って多住宅者譲渡税重課の終了日である9日当日に土地取引許可の受け付けをするケースは多くないだろうという意見が優勢だ。税負担から住宅をどうしても売らなければならない多住宅者はすでに家を売り、いまは住宅を保有しようとする人々だけが残ったということだ。
陽川区のある公認仲介事務所代表は「多住宅者の物件が多く売れた。いまは安くても物件を売ろうという状況は終わった」とし、「物件を売ろうとする多住宅者はむしろ売り希望価格を引き上げ、買い手の立場ではこの価格では買わないという希望価格とのギャップが大きい状況だ」と述べた。龍山区のある公認仲介士は「すでに売買する人はみな終えた。司法書士(韓国の法務士)も2週間前からは売買はほとんどなく、特殊物件や贈与性の売買取引だけが少しある状況だと言っている」と伝えた。
韓国政府が多住宅者譲渡税重課の終了を2日前に控え、土曜日にも土地取引許可の受け付けを行うと知らせたことについて、決定を前倒しすべきだったとの指摘が出ている。龍山区の公認仲介士は「明日は休みなのに公務員が土地取引許可の受け付けをするという告知が来たが、受け付ける物件が一つもない」とし、「土地取引許可の申請には必要書類を準備しなければならないのに、あらかじめ9日の勤務を知らせておけば準備をしたのではないか」と述べた。
麻浦区の公認仲介士も「8日が事実上、多住宅者譲渡税重課の終了に向けた土地取引許可申請を終える日だと考えて準備した」としつつ、「ところがまた9日も受け付けると韓国政府の話が変わったので、現場で仕事をするのが不便だ。一部で緊急売りを拾う需要はあるだろうが、実際に売買に至って土地取引許可の申請をするケースは多くないと思う」と語った。
9日までに多住宅者の売り物件に対する土地取引許可の申請を終えた場合、売買契約後に残代金の決済や所有権移転登記を直ちに完了しなくても譲渡税は重課されない。土地取引許可の申請を9日までに終えたなら、昨年の10・15対策前に既に調整対象地域に指定されていたソウルの江南3区(瑞草・江南・松坡区)と龍山区は9月9日まで、新たに編入されたソウル21自治区と京畿の12地域は11月9日が取引完了期限となる。