シニアタウンに入居できる経済力があるにもかかわらず入居をためらうのはなぜか。最大の理由の一つが、高齢者だけが集まって生活する点である。とりわけ退職後も社会活動や自己啓発を引き続き楽しみたいアクティブシニア(Active Senior)が台頭し、こうした悩みは一段と大きくなっている。韓国より先に超高齢社会に入った日本は、すでにかなり以前から同様の問題に直面してきた。解は単なる住まいから離れ、一つの町が高齢者を共に支える「地域包括ケア」へと概念を拡張し、世代共存型(Age Mix)モデルに求めている。
1月22日、日本で初めて世代共存型モデルを適用した東京都江戸川区の社会福祉施設「江東園」を訪ねた。ここは介護老人福祉施設、高齢者福祉施設、高齢者通所介護施設と保育園を組み合わせたビジネスモデルで、1987年に運営を開始した。4階建ての建物のうち、1階に保育園、2・3階に高齢者向けの居住空間がある。すなわち一つの建物で、生後間もない赤ん坊から90歳を超える高齢者まで多様な世代が集まり暮らしている。
しかし江東園は、高齢者と子どもが同じ空間にいるだけにとどまらない。実際にさまざまな活動を通じて人間関係を形成している。毎朝いっしょに健康体操を行い、運動が終わると子どもたちは高齢者の胸に飛び込み、家であった出来事をぺちゃくちゃ話す。昼食時には高齢者が子どもたちのために魚の骨を取ってやることもあり、運動会や遠足なども共に行う。
この日訪れた際は感染症流行期で、朝の体操を直接見ることはできなかったが、ピンク色の壁の至る所に子どもたちの絵や折り紙が飾られていた。高齢者はその前に三々五々集まり、会話を交わしたりテレビを視聴したりしていた。各部屋には自宅の雰囲気が出るように名前が記された表札が掛けられ、すべての空間が開放されていて子どもたちが随時出入りしやすかった。
ヒラヤマ・テツヤ江東園施設長(園長)は「高齢者にとって最大の利点は、自分の人生に役割が生まれる点だ」と強調した。ヒラヤマ・テツヤは「ここで高齢者が子どもの着替えを手伝ったり、生活の中のさまざまなことを教えたりするなど、共に時間を過ごす過程自体が生きる活力になる」と説明した。
もちろん日本でも当初は世代共存型モデルの導入は容易ではなかった。1987年の設立当時だけでも、政府は子どもが車椅子などと衝突する危険があることや、感染症流行に脆弱だといった理由から認可を渋った。区役所の粘り強い説得の末に江東園が発足した後も、一部保護者の反対に直面した。初期には可動式の壁を設置して高齢者と子どもの生活空間を分けたりもしたが、懸念に反し不祥事は一件も発生しなかった。
30余年が過ぎた今、江東園は近隣で最も人気のある福祉施設へと生まれ変わった。高齢者は子どもと交流して楽しさを感じることができ、共働き夫婦は比較的低廉な費用で子どもを預けられるからだ。介護施設の場合、等級によって異なるが、月の生活費は1人当たり約150万〜190万ウォン程度である。政府と東京都、区役所などの支援により、施設利用者はこのうち10〜30%の金額だけを支払えばよい。保育園も同様である。
この日出会った江東園の保育士ヤマグチ・メイ(24)は、江東園が40年近く守ってきた世代共存の価値を身をもって証明している。約20年前、ここにある保育園に通っていたヤマグチ・メイは、当時高齢者の部屋を訪れて清掃を手伝ったり、一緒に談笑して時間を過ごした。そこで育まれた特別な絆が、大人になったヤマグチ・メイを再びこの場所へと導いた。現在は江東園の保育士として就職し、4年目となる子どもたちの指導にあたっている。
ヤマグチ・メイは「血縁関係ではなかったが、高齢者を本当の祖父母のように感じ、とても親しい関係で過ごし、その経験はいまも温かい思い出として残っている」と述べたうえで、「教師になった今、教える子どもたちが高齢者と交流する中で、自然に優しさや思いやりを学び、誰かの役に立つというやりがいを感じる姿を見て、世代間交流の重要性を実感している」と語った。
江東園のような世代共存型シニアタウンは、決して遠い話ではない。韓国でも導入を試みる類型の一つである。先にソウル市は世代共存型の住居施設「ゴールデンビレッジ」の設立を推進した。恩平区イノベーションテーマパークの敷地に高齢者福祉住宅(240戸)と子どもの住居施設、保育園などの保育施設を設立するという具体的な青写真まで描いたが、事業性が確保できず2024年に頓挫した。
民間業界でも多角的に検討している。現行法上、高齢者福祉施設と保育園のような児童施設は「老幼者施設」という一つのカテゴリーにまとめられており、同一敷地に入るうえで法的な障害はない。一例として、建設事業管理(PM)企業HanmiGlobalの子会社HanmiGlobalD&Iが供給するソウル松坡区のシニアタウン「ウィリェ・シンフォニア」の場合、団地内に別棟として保育園が入った。入居者の孫だけでなく、近隣に居住する子どもも利用する。
スギ・ユイチ江東園常務理事は「子どもがいる環境は、他の高齢者施設に比べて明るく活気があるように見えるため、あえて江東園を選ぶ高齢者が少なくない」と説明したうえで、「さらに地域活動を継続していると、周辺住民が将来年齢を重ねたらこの施設に来たいと話すこともある」と述べた。続けて「数字に換算される価値ではないかもしれないが、地域の幸福度と信頼の面で明確な価値を生み出していると考える」と付け加えた。
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