相場より高い価格で不動産取引を締結した後に解除して人為的に住宅価格を押し上げる違法行為が増加していることを受け、政府が不動産取引解除に対する検証を強化する。不動産売買契約を解除する際、取引当事者や公認仲介士が解除理由を記述式で書く代わりに類型別に申告する方式とし、住宅価格つり上げを目的とした意図的な取引解除をより綿密に点検するというのが国土交通部の考えである。
29日、国土交通部によると、国土交通部は「不動産取引契約解除等申告書様式」に契約解除理由を類型化する方策を推進している。不動産取引契約の解除、無効、取消しが行われた場合、不動産取引申告等に関する法律施行規則に基づき、取引当事者や公認仲介士は申告書を作成し申告官庁に提出しなければならない。
現在の申告書では、不動産取引契約の解除理由を主観式で記述することになっている。そのため、政府が住宅価格つり上げの意図で取引契約を解除したかどうかを把握するには、申告書を一つ一つ精査して分析する必要があった。
しかし国土交通部は、異常取引を迅速に摘発するため、解除理由を類型化する方式で申告書の変更に乗り出す。買主の資金不足、当事者合意による解除など、解除理由を申告書に類型別に整理して記載し申告させるということだ。申告書の改善が実現すれば、契約が解除された取引のうち相場攪乱の意図があったかどうかを政府が点検しやすくなる見通しだ。
国土交通部関係者は「『不動産取引契約解除等申告書様式』を解除理由を類型化する方式で改善し、相場攪乱行為に対する点検と分析を強化する計画だ」と説明した。
国土交通部がこのように申告書を改善するのは、ソウルなど住宅価格が上昇している地域を中心に、住宅価格を人為的に引き上げるため相場より高い価格で虚偽契約を締結した後に解除する違法行為が増加しているためである。国土交通部が高値申告取引後の解除などの方式による不動産実取引価格つり上げに対する企画調査を推進した結果、2023年3月から今年8月までの異常取引437件のうち、142件の取引で違法の疑いが摘発された。
最近摘発された事例を見ると、A氏は家族であるB氏にソウルのマンションを相場より高い8億2,000万ウォンで売る売買契約を締結した。売買契約は約1年間維持された後に解除申告が行われ、A氏は直ちに第三者とマンションを8億ウォンで売却する契約を結んだ。国土交通部は、この取引が仲介取引であるにもかかわらず、契約書に記載された仲介手数料が支払われていない点などを踏まえ、虚偽申告を疑い警察庁に捜査を依頼した。
取引契約の解除件数も今年の最大値を記録した。国土交通部実取引価格公開システムによると、今年に入り今月28日までに集計されたソウルのマンション売買取引8万397件のうち、契約解除は5,990件で、全取引の7.45%を占める。これは契約解除の有無が実取引価格公開システムに表示され始めた2020年以降で最も高い数値だ。
こうした取引申告書の類型化方策は、不動産取引申告等に関する法律施行規則の改正作業を経て、来年施行される見通しだ。