鍾根堂の民間奨学財団である鍾根堂高村財団が、地方出身の大学生のために造成した住居支援施設(無償寄宿舎)「高村学舎」1・2・3号館を総額152億ウォン台で売りに出したことが確認された。
民間奨学財団の初の住居支援施設が売却手続きに入ったことをめぐり、鍾根堂が奨学事業を縮小するのではないかとの見方が出ている。鍾根堂高村財団は「奨学事業の縮小ではなく、施設の老朽化に伴う『拡大移転』を模索する段階である」と明らかにした。
17日、不動産・製薬業界によると、鍾根堂高村財団がソウルで運営する高村学舎のうち、1号館(麻浦区東橋洞)が45億ウォン、2号館(東大門区回基洞)が22億ウォン、3号館(広津区中谷洞)が85億ウォンで売りに出されたことが確認された。3カ所の売却規模は計152億ウォンである。寄宿舎は一括売却ではなく個別売却の方式で新たな所有者を探していると伝わっている。
1号館は地下1階〜地上3階の建物で、延べ面積は419㎡(約126坪)だ。2号館は延べ面積291㎡(約148坪)の地下1階〜地上3階の建物で、3号館は地下1階〜地上6階の建物で延べ面積は2173㎡(約657坪)だ。
高村学舎は、全・月世の高騰で住居問題に苦しむ地方出身の大学生のために設立された、民間奨学財団として初の住居支援施設である。
鍾根堂高村財団は、1973年に企業利益の社会還元を目標に、鍾根堂創業者で故人の高村イ・ジョングン会長が私財で設立した奨学財団である。イ会長は若者の実質的な困難を解決するためにこのような奨学事業を始め、長男のイ・ジャンハン会長が父の意思を引き継いで「高村学舎」を提案し、推進した。
現在、高村学舎は売りに出た3カ所のほか、4号館(永登浦区永登浦洞)まで運営中である。1号館は2011年に20億ウォンを投じて開設し、続いて2012年に17億ウォンを投資して2号館を、2014年に52億ウォンを投入して3号館を開いた。4号館は2020年9月に開館し、1〜3号館に比べて新築の建物に当たる。
今回の寄宿舎売却をめぐり、鍾根堂の奨学事業が縮小されるのではないかとの懸念が出ている。鍾根堂高村財団側はこれについて「売りに出したのは事実だが、老朽施設の改善と奨学事業の拡大のための趣旨であり、学舎運営の縮小は全く考えていない」と回答した。関係者は「現在、売却が確定したわけではなく、まずは市場に買い手がいるかなど市場動向を把握するために出したものだ」と述べた。
財団側は「1号から4号館まで長く運営してきた分、施設も老朽化しており、より良い環境で、より多くの人数を収容できる大きな建物へ移る方策を模索している過程だ」と説明した。ただし、この関係者は「新たに移転する用地や施設が決まったわけではない」と述べた。