ソウルの老朽団地が、期間が半分にとどまるなど相対的に有利だったリモデリングを見送り、最近は相次いで再建築へと方向転換している。再建築規制の緩和への期待感や事業性の低下に加え、内部対立が重なったためだ。
13日、整備業界によると、ソウル龍山区トンブイチョンドン(東部二村洞)にあるイチョンウソンアパートのリモデリング事業が先月中断された。設立から3年以内に事業計画の承認を得られなかった組合が、事業を続けるかを問う総会を開いたところ、反対票が多かったためだ。これにより組合は解散手続きに入ることになった。1995年に竣工したイチョンウソンアパートは、地下2階〜地上20階、2棟、243世帯規模の団地である.
イチョンウソンアパートがある東部二村洞は、容積率が300%を超える団地が多く、大半がリモデリングを進めてきた。イチョンウソンアパートも団地の容積率が322%で、事業性の面からリモデリングを選択していた。しかし、ここ数年で工事費が急騰してリモデリングの事業性が悪化したうえ、間取り・コミュニティ施設・階高などで再建築より品質の低いアパートになるとの見方が組合内に広がったとされる。近隣のハンガンダウアパートも、リモデリングから再建築への転換カードを探っていると伝えられている.
1986年に竣工したソウル城東区ウンボンデリム1次も、2006年の組合設立後にリモデリングを推進していたが、再建築へ方向転換した。組合設立後10年間、事業が停滞し住民の不満が高まったため、最近リモデリング組合の人事取り消し手続きに入った。15年間、垂直増築リモデリングに注力してきた江南区ケポドン(開浦洞)のソンウォンデチ2団地も、リモデリング組合の解散に着手している状態だ.
既存アパートを取り壊す再建築と異なり、リモデリングは骨組みを維持したまま増築する方式で、工事費が相対的に安いという利点がある。このため、再建築を厳しく規制した文在寅(ムン・ジェイン)政権当時は、構造的に堅牢で再建築の安全診断を通過しにくいか、容積率が高く事業性が低いため再建築が難しい団地を中心に、リモデリングを進めた事例が多かった.
しかし尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権と呉世勲(オ・セフン)ソウル市長が再建築の活性化を積極的に推進し、状況が変わった。尹政権は2023年に安全診断の緩和、ソウルの江南3区・龍山区などを除く地域での分譲価格上限制の廃止、再建築超過利益還収制の緩和などを実施した。2024年には安全診断を経ずに再建築に着手できる「ファストトラック」も導入した.
ソウル市は年初に市政のテーマとして「規制撤廃」を掲げ、5月に環境影響評価の免除対象を大幅に拡大する内容で条例を改正した。環境影響評価の協議手続きが免除されれば、「評価書素案(20日)→本案協議(28日)」へと続いていた過程で本案協議段階が省略され、約28日の協議期間が短縮される効果が生じる。また、高さ規制地域での公共寄与の緩和、公共施設などの寄付採納に伴う容積率インセンティブの改善なども進めている.
整備業界の関係者は「リモデリングの工事費も再建築並みに上がり、コスト面での優位性が消えつつある」と述べ、「ソウル市の迅速統合企画に参加すれば、種別上げの恩恵を受けて容積率を高められるようになり再建築が可能となるケースも出ているため、リモデリングを進める団地の住民の悩みは大きいだろう」と語った.