国土交通部は、公的支援民間賃貸連携型整備事業が円滑に進むよう、賃貸住宅の売買価格算定基準を合理的に調整し、一般分譲を一部認めるなど制度を改善すると8日に明らかにした。
今回の措置は、工事費の上昇などで連携型整備事業の事業性が悪化し事業が遅延している状況を改善し、事業が再び正常に推進されるよう支援するためのものだ。
連携型整備事業は2015年に導入され、一般分譲分の全てを賃貸事業者(リート等)が買い取り、民間賃貸住宅として供給する方式である。未分譲リスクを解消し、都心の老朽地域の整備を促進してきた。しかし賃貸住宅の売買価格が事業施行認可の時点で固定され、工事費が上昇するに従って事業性が悪化し、組合員負担金が増加して事業が遅延する問題が継続的に提起されてきた。
こうした問題点を改善するため、国土交通部はまず相場再調査の許容要件を合理的に見直した。現在は、事業施行計画認可告示月から相場再調査の依頼月まで建設工事費指数が20%以上増加した場合、当初の管理処分認可の時点を基準に相場再調査が可能だ。
ただし事業施行認可の告示後3年が経過して相場再調査を依頼する場合には、直近3年間の建設工事費指数の上昇率のみを反映するよう制限している。そのため、事業施行認可の告示後3年が経過した状態で相場再調査を依頼しようとする事業場では、数年間にわたり工事費が上昇していたにもかかわらず、直近3年間の工事費増加率が20%に満たなければ相場再調査が不可能という問題があった。
改正された規定によると、事業施行認可の告示時点から相場再調査を依頼する時点までの全期間で建設工事費指数が20%以上上昇した場合には、当初の管理処分計画認可基準で相場を再調査できる。これにより国土交通部は、工事費の増加分が現実的に反映され、整備事業の事業性が回復し、事業が円滑に推進されると期待している。
あわせて、一般分譲分の全てを賃貸リートに売却する構造を見直し、一部について一般分譲を認める。一般的な整備事業では一般分譲価格が上昇する場合に事業性の改善が可能であるのに対し、連携型整備事業は組合が一般分譲分を賃貸リートに固定額で全量売却する事業であり、一般分譲が原則不可能なため、このような事業性の確保が難しかった。
しかし連携型整備事業の趣旨が住宅供給の活性化である点を踏まえると、工事費上昇などで悪化した事業性を改善し再び正常に推進する必要があるため、国土交通部は一部物量の一般分譲を認めることにした。ただし、公的支援民間賃貸事業の実施により緩和を受けた容積率に該当する物量は賃貸住宅として供給することで、制度の趣旨と公共性は維持する。
今回の制度改善が施行されれば、国土交通部は、工事費上昇などで事業性が悪化した事業場で相場再調査と一般分譲への転換を活用できるようになり、事業性が改善され、整備事業の推進に弾みがつくと期待している。
国土交通部のチョ・ミンウ住宅整備課長は「今回の制度改善により、全国で約4万世帯程度の連携型整備事業の推進に弾みがつくと期待される」と述べ、「都心で良質な住宅が迅速に供給されるよう、住宅供給拡大方案(9・7対策)に含まれた整備事業制度の総合的な改編を支障なく推進していく」と語った。