「高額アパート」の名称を掲げた結婚情報会社がまた登場した。ソウル・ソンパ区カラク洞の「ヘリオシティ」の名称を取ったところだ。韓国で最高価格帯のアパートであるソウル・ソチョ区バンポ洞の「ラミアン・ワンベイリー」に続き、アパート名を入れた国内2番目の会社である。
ヘリオシティの商業施設内に入居した「ヘリオ結婚情報」という業者は6月から営業を開始した。ヘリオシティだけでなく、ガンドン区トゥンチョン洞のオリンピックパークフォレオンなど近隣アパートの入居者も加入できる。この業者が正式に会員を受け付けてから3カ月で約200人が加入を申請したと伝えられている。
ヘリオ結婚情報の代表はアパート入居者で、「ラミアン・ワンベイリー」で類似の事業が成功したことからヘリオシティの名前を冠した結婚情報事業を構想したとされる。9510世帯の大規模アパート団地であるヘリオシティは先月、専有84㎡が30億ウォン台を記録し、3.3㎡(坪)当たり1億ウォンを突破した。
韓国で高額アパート名を冠した結婚情報会社が作られたのは今回が初めてではない。初は坪当たり2億ウォンを超えたラミアン・ワンベイリーである。ラミアン・ワンベイリーでは入居者間の出会いを仲介する小規模コミュニティ「ワンベイリー結婚情報会(ウォンギョルフェ)」が活性化した。
ウォンギョルフェは入居者本人や子どもなどが参加でき、入会金は10万ウォン、年会費は30万ウォンである。ウォンギョルフェは団地内コンベンションセンターで行う団体ミーティングや少人数の紹介だけでなく、月例の結婚相談室なども運営した。会員を対象に新居準備セミナー、節税・投資教育も実施した。
ラミアン・ワンベイリー入居者が中心だったこの集まりは、ラミアン・プレスティージ、アクロ・リバーパークなど近隣の高額アパート団地まで領域を拡大した。その後、今年7月には公式な結婚情報会社である「ワンベイリー・ノビリティ」に転身した。ワンベイリー・ノビリティはソチョ・カンナム地域を対象に会員を募集している。会員の入会費は等級により50万ウォンから1100万ウォンまで分かれている。
このように高額アパート団地が集中するソチョ区やソンパ区などで入居者間の結婚を仲介する結婚情報会社が次々に生まれる中、ガンナム圏のアパート名を冠した結婚情報会社がさらに開業準備をしているという話も聞こえてくる。
高額アパートの名称を冠した結婚情報会社は、一般の結婚情報会社と異なり地域基盤のネットワークシステムをベースにし、一定の資産条件を満たした人だけをつなぐ。居住地が結婚条件の基本フィルターとして機能することになる。
このような現象が表れ、韓国の社会構造が「居住地基盤の階層社会」へ再編されているとの分析が出ている。ある不動産専門家は「住んでいる場所がそのまま名刺になったという言葉もあるではないか。今や高額アパート団地で入居者間の結婚を仲介することは『不動産階級社会』になっているという意味だ」と述べた。
一部では、ガンナム圏アパートの入居者間で「彼らだけのリーグ」を形成し、居住空間による都市の階層分断をさらに加速させる可能性があるとの懸念も出ている。アパートを「階級社会の入場証」と認識させるということだ。別の専門家は「資産に占める不動産の比率が大きい韓国では、アパートがすなわち資産規模を測る物差しだ」とし、「一定の所得と資産水準を持つ人だけが会うという意志は、結局は階層間の二極化をより深刻化させ得る」と伝えた。