A氏はソウルにあるアパートを42億5,000万ウォンで購入し、金融機関から企業運転資金を目的として借り入れた23億ウォンを物件代金に充てた。国土交通部は高額アパート購入の資金調達内訳を確認する過程で、A氏が事業と無関係に借入金をアパート取得に使用したと判断し、目的外の貸付金流用として金融当局に通報した。
今後、住宅取得のために資金調達計画書を作成する際は、事業者向け融資を別途明記しなければならない。A氏のように住宅購入時に違法または便法で資金を調達して購入する事例が増加したことから、政府が資金調達計画の内訳を細分化し、住宅取得資金の検証を強化するためである。これにより、仮想通貨を売却して住宅購入資金を準備する場合は、資金調達計画書に義務的に記載することになる。贈与・相続で用意した資金が住宅購入資金に含まれる場合は、税金の申告有無まで記載しなければならない。
3日、政府によると、国土交通部は資金調達計画書上の記載情報をより細分化するための制度改正を進めている。住宅価格が急騰するなか、便法による貸付・贈与など市場秩序を攪乱する異常取引が拡大し、住宅価格を刺激する懸念が高まっていることから、資金調達計画書をより詳細に記載させる方針である。
資金調達計画書は、規制地域内の住宅を購入する場合、または非規制地域でも6億ウォンを超える住宅を取得する場合に、不動産取得資金をどの経路で用意したのかを記載して自治体に提出しなければならない書類である。
資金調達計画は大きく自己資金と借入金に分かれ、国土交通部はすべての出所を詳細に記録させる。
現在の資金調達計画書では、自己資金として▲金融機関の預金額▲株式・債券の売却代金▲贈与・相続▲現金などその他の資金▲不動産処分代金のみを記載すればよい。しかし今後は、株式・債券の売却代金だけでなく、仮想通貨の売却代金も記載しなければならない。贈与・相続による資金調達がある場合は、金額と贈与税または相続税の申告有無も記して提出しなければならない。
借入金の場合、住宅担保貸出と信用貸出を記載し、その他の貸出は「その他の貸出」と記載すればよかった。しかし今後は、事業者向け融資も別途明記しなければならない。
とりわけ、資金を借り入れた金融機関名も記載しなければならない。従来は各貸出の金額だけを記せばよかったが、今後は貸出を実行した金融機関も記載する必要がある。
国土交通部の関係者は「事業者向け融資を企業運営目的ではなく住宅購入目的で使うケースが相当多い」と述べ、「事業者向け融資の有無を具体的に記載させれば、違法性の調査が容易になる」と語った。続けてこの関係者は「貸出を実行した金融機関名を記載させれば、どこでどのように借入をしたのかを迅速に把握でき、金融当局と協力してモニタリングと管理が可能になる」と付け加えた。
国土交通部は不動産取引申告等に関する法律の施行規則改正を年末までに終える計画である。改正が完了すれば、新しい資金調達計画書が直ちに適用される。
政府が住宅購入時の資金調達計画から違法・便法の有無を入念に点検することで、市場では実需以外の投機需要がやや減少するとの見方が出ている。ある公認仲介業者は「資金調達計画書の作成がより難しくなりそうだ」と述べ、「資金調達の内訳が複雑になれば短期的に市場が萎縮するのではないか。とりわけ高額住宅ほど資金調達の証明が難しくなり、影響を大きく受けると思う」と語った。