グーグルを越え、OpenAIやAnthropicなど主要な人工知能(AI)企業が自社開発のAI半導体の本格化に動いている。エヌビディアのグラフィックス処理装置(GPU)への依存度とAIインフラの構築・運用コストを下げ、自社のAIサービスに適した半導体を直接確保しようとする動きである。ただし自社チップがエヌビディアのGPUを完全に代替するというよりは、用途に応じて併用する方向でAIインフラが多様化するとの見方が出ている。
27日、業界によると主要AI企業は最近、自社製作半導体の性能を公開するか開発組織を拡大している。
OpenAIは25日、ブロードコムと共同開発した自社AIチップ「ハラペーニョ(Jalapeño)」の性能を初めて公開した。OpenAIが示したベンチマークによれば、ハラペーニョはエヌビディアの「GB200」・「GB300」と比べ、ピーク時の電力当たりスループットが1.5〜1.9倍高かった。これは同じ電力でより多くの演算を処理できることを意味する。
エヌビディアの次世代AIアクセラレーター「ヴェラ・ルービン」と比べても競争力を示したとの分析が出た。半導体分析会社セミアナリシスは、ハラペーニョのメガワット(MW)当たり出力トークン処理量がヴェラ・ルービンより高い数値を記録したと明らかにした。総所有コスト(TCO)比の性能は両製品が概ね同水準だと評価した。OpenAIは年末から自社データセンターインフラにハラペーニョを投入する予定である。
◇ グーグルに続きOpenAI・Anthropicも自社チップで競う
自社AIチップの代表的な先行走者はグーグルである。グーグルは2013年から自社AIチップであるテンソル処理装置(TPU)を開発しており、今年4月には第8世代TPUを公開した。グーグルはGeminiなど自社AIモデルだけでなく、グーグルクラウドを通じて外部企業にもTPUベースのコンピューティングを提供している。
OpenAIの最大の競合であるAnthropicも最近、自社チップ開発に乗り出した。ロイター通信によると、Anthropicは5日、自社半導体を設計する社内専任組織を立ち上げ、ハードウエア・ソフトウエアエンジニアの採用を開始した。21日にはグーグルのTPU事業を率いたアミール・サレクを迎え入れ、組織を強化した。
◇ 巨額のAIインフラ費用…自社チップで引き下げ
主要AI企業が相次いで自社チップ開発に踏み込む最も直接的な理由は、巨額のAIインフラ費用である。ロイター通信は、OpenAIがハラペーニョを開発した背景として、コスト削減とエヌビディアGPUの代替手段を確保する目的があったと分析した。
AIサービスの規模が大きくなるほど、これを駆動するために必要なAIアクセラレーターとサーバーもともに増える。したがって自社チップを確保すれば、エヌビディアなど外部チップ供給企業への依存度を下げ、長期的にAIインフラ費用を節減できる。
市場調査会社フォレスターのマイク・グアルティエ副社長は、最近のロイター通信とのインタビューで「半導体を他社に依存していてはAI業界の巨人にはなれない」と述べ、「ハイパースケーラー企業、さらにはスペースXまで、すべてが半導体生産を計画しているが、これはモデル使用料の競争で価格競争力を確保できる唯一の方法だからだ」と語った。
◇ AI演算の重心が『学習→推論』へ…特化型チップ需要が拡大
AI演算需要の重心が「学習」から「推論」へと急速に移っている点も、自社チップ開発を後押ししている。学習は大規模データを活用してAIモデルを作る過程であり、推論は学習を終えたモデルが利用者の質問に答えたり与えられた作業を遂行する過程である。
最近、チャットボットやAIエージェントなど生成AIサービスの利用が増え、利用者のリクエストが発生するたびに必要となる推論演算も急増している。バンク・オブ・アメリカによれば、AIデータセンター市場規模は2030年に1兆2000億ドル(約1660兆ウォン)に達する見通しで、このうち推論関連支出が75%を占める見込みだ。
とりわけエヌビディアのGPUは多様なAI演算を処理できる汎用性が強みだが、特定の推論作業だけを反復して処理するなら、その作業に合わせて設計した専用チップのほうがコストと電力効率を高められる。
実際に主要AI企業は推論に特化した自社チップを打ち出している。OpenAIのハラペーニョは大規模言語モデル(LLM)推論に特化して設計され、グーグルが今年、第8世代TPUを学習用「TPU 8t」と推論用「TPU 8i」に分けて公開したのも、こうした需要に対応するためとみられる。
◇ 自社チップが増えてもエヌビディアGPUの完全代替はなお先
ただし自社チップ開発がエヌビディアからの完全な独立を意味するわけではない。特定のAI演算に合わせて設計した自社チップは当該作業でコストと電力効率を高められるが、GPUは多様なモデルとAI演算に幅広く活用できる利点がある。
OpenAIもハラペーニョを自社インフラに導入しつつ、エヌビディアなど外部企業のAIアクセラレーターを引き続き使用する計画だと明らかにした。Anthropicも自社チップ開発とは別に、グーグルとエヌビディアの半導体を併用する計画である。
自社チップの実際の性能も変数である。ハラペーニョが初期ベンチマークで高い性能を記録したものの、大規模配備後もエヌビディア製品と同等の競争力を示すかは見極める必要がある。セミアナリシスは、現在テストされたハラペーニョがエンジニアリングサンプル段階であり、ハラペーニョとヴェラ・ルービンの双方がまだ初期段階にあるため、今後も性能が継続的に改善され得ると評価した。