「グラフィックス処理装置(GPU)だけでなく中央処理装置(CPU)も不足する状況が起きており、来年には一般的に考えるPCを入手することが非常に難しくなるだろう。」
シン・ジョンギュLablup代表は26日、ソウル・ソゴンドンのウェスティンジョソンホテルで開かれた国内最大のテックカンファレンス「SMARTCLOUD SHOW 2026」の講演でこう述べた。エージェンティック人工知能(AI)の拡散により、GPUだけでなくCPUやメモリー、ストレージ、電力などコンピューティング資源全般で供給不足とボトルネックが深刻化するという意味である。
Lablupは2015年に設立されたAIインフラの管理・運用ソフトウエアの専業企業である。AIが遂行する業務の難度に応じてどのAIモデルとGPUなどのコンピューティング資源が必要かを判断し、必要なだけ資源を効率的に配分する技術を開発している。
シン代表によれば、エージェンティックAIは利用者の質問に答えるだけでなく人に代わって実際の業務を遂行する。この過程でAIモデルを駆動するGPUだけでなく、作業を処理するCPUやメモリー、ストレージ、ソフトウエア環境などが併せて必要になる。シン代表は、エージェンティックAIの拡散は会社で働く従業員が突然数十倍に増える状況に似ていると説明した。
問題は、エージェント数が増えるほど必要なコンピューティング資源も急速に増加する点である。シン代表は、今年を基準に人1人当たり約20個のエージェントがバックグラウンドで動作しているが、来年末には一部企業で人1人当たり100個水準のエージェントを常時稼働させる状況が現れる可能性があると展望した。
GPUと比べて他のハードウエアの進歩速度が相対的に鈍い点もボトルネックを拡大する要因である。シン代表は、GPU性能は急速に高まったが、CPUやメモリー、ストレージ、これらを接続するPCIエクスプレス(PCIe)などの性能は同じ速度で向上していないと説明した。シン代表は「CPUに搭載されるコア数が増えても、各コアが分け合うメモリー帯域幅やストレージの処理速度が十分に増えなければ、他の部分でボトルネックが生じる」と述べた。
AIデータセンターの電力問題も次第に大きくなっている。シン代表によれば、過去にはデータセンターのサーバーラック1本に供給される電力は約4キロワット(kW)水準だったが、エヌビディアの次世代AIアクセラレーター「ベラ・ルービン」を収容するにはラック当たり250kW水準まで必要だ。
エージェントを安全に分離して実行することも新たな課題である。既存の仮想マシン(VM)は複数を同時に起動するほどシステム負荷が大きくなる。コンテナもそれぞれの作業を分離できるが、メモリーやストレージなどを共有する分、完全に隔離するには限界がある。
シン代表は、エージェンティックAI拡散に伴うコンピューティング資源不足は短期間では終わらないと見通した。シン代表は「すべての資源を速やかに投入しているが、需要が生産をはるかに圧倒しているため、状況は長引くと展望する」とし「人生で数えるほどしか経験しない、世代が一度入れ替わる水準の変化になるだろう」と述べた。