「人工知能(AI)エージェントが発生させたトラフィックが前年対比で1,700%以上増加した。ネットワーク上の全トラフィックのおよそ60%がAIエージェントから発生している。エージェンティック・インターネットのための基盤を構築すると同時に、AIセキュリティも革新の速度に合わせて適用すべきだ。」
ゴラン・リスティセビッチ・クラウドフレア アジア太平洋(APAC)総括副社長兼マネージングディレクターは25日、ソウル江南区ウェス汀ソウルパルナスで開かれたメディアエデュケーションセッションでこのように述べた。AIエージェントの活用が急速に増えるのに合わせ、これを下支えするネットワークインフラとセキュリティ体制を同時に整える必要があるということだ。
リスティセビッチ副社長は「インターネットは当初人のために作られたが、いまは機械の速度で動くAIエージェントによってトラフィックが発生している」とし、「人が調査や旅行計画のために4〜5個のウェブサイトを閲覧するなら、AIエージェントは同じ作業を実行するために数千個のウェブサイトとサーバーに同時に接続できる」と語った。
AIエージェントが人に代わって複数のサービスやシステムに同時にアクセスするにつれ、企業が管理すべき対象も増えている。開発者と従業員はAIモデルとサービスを迅速に活用したい一方で、企業はどのAIがどのデータとシステムにアクセスしているのかを把握し、機微情報の流出や不要なアクセスを防がなければならない状況だ。
代表的な事例が「シャドーAI」だ。企業が承認していないAIサービスを従業員が業務に使用するもので、この場合、機微な社内情報が外部のAIモデルに伝達され得る。ここに最近は、AIアプリケーションと外部ツール・内部システムをつなぐモデルコンテキストプロトコル(MCP)が急速に普及し、企業が承認していないMCPを使う「シャドーMCP」も新たなセキュリティ課題として浮上している。
クラウドフレアは、企業内部でどのAIツールが使用されているかをまず把握したうえで、データとネットワークへのアクセスを統制すべきだと説明した。AIモデルに渡されるプロンプトに機微情報が含まれる場合は事前に遮断し、MCPサーバーへのアクセスには「ゼロトラスト」方針を適用して、利用者の身元と権限に応じて必要なアプリケーションにのみアクセスさせる方式だ。
AIがサイバー攻撃に活用される中で、従来のセキュリティ対応方式にも変化が必要だとの説明も出た。クラウドフレアはAnthropicと進めたセキュリティ連合体「プロジェクト・グラスウイング」に参加し、AIモデルMythosの事前アクセス権限を得て社内セキュリティチームのテストを実施した。その結果、AIが複数の脆弱性を連鎖的に活用する能力が高度化し、新たな脆弱性を見つけ出す速度も速まっていると説明した。
アニカ・ガバス・クラウドフレア ワン GTM総括は「セキュリティ脆弱性を発見するたびに逐一パッチを適用する方式では対応に限界がある」とし、「セキュリティ体制の基盤を強化し、ゼロトラストの原則を適用すべきだ」と語った。
量子コンピューターに備えたセキュリティ体制の重要性も強調した。ガバス総括は、業界では既存の暗号体制を無力化する水準の量子コンピューターが登場する、いわゆる「Qデー」を2030年前後と予想していると説明した。クラウドフレアは現在、耐量子暗号(PQC)を支援しており、2028年までに耐量子認証も全面支援する計画である。