ネットマーブルの第2位株主である中国テンセントがネットマーブル保有持分18.1%のうち13.4%を処分することを決め、その背景に関心が集まっている。最近テンセントが進める投資ポートフォリオ再編戦略の一環とみられる。今年に入りテンセントは収益性が落ちるか当初期待した成果が出ない韓国・日本など海外ゲーム会社の持分を既存経営陣に買い戻させる方式で投資金回収に動いている。
一部では「人工知能(AI)オールイン」を宣言したテンセントがAIの実弾を用意するため、成績が低調なゲーム会社の整理に乗り出したとみている。世界ゲーム産業の成長がコスト上昇と競争激化、利用者離脱で鈍化するなか、「ゲーム業界の大口」であるテンセントの投資優先順位も成長潜在力が大きいAIへ移っているとの分析も出ている。
テンセントがネットマーブル持分10%以上を処分することによる「オーバーハング(overhang・大規模潜在的売り出し玉)」関連の懸念は、パン・ジュンヒョクネットマーブル・Coway議長が当該物量を3740億ウォンで直接買い取り、緩和することにした。ネットマーブルの株価は直近1年で半値になったが、大量の株式が市場にそのまま放出されると株価に追加の下押し圧力として作用しかねないため、パン議長が消防士役を買って出たと解釈される。
◇ パン・ジュンヒョク議長、テンセント持分を3740億ウォンで直接取得
25日ネットマーブルと金融監督院電子公示システムによると、パン・ジュンヒョクネットマーブル・Coway議長はテンセント系のハンリバーインベストメント(Han River Investment)が保有するネットマーブル持分13.4%を3740億ウォンで直接取得することにした。ネットマーブル側は「大規模な物量が市場に出回る場合に発生し得る市場の不確実性を先制的に緩和するため、筆頭株主であるパン議長が当該持分を直接取得する方式で進められる」とし「取得資金は株式担保融資などを通じて直接調達する予定だ」と説明した。
株式の移転と代金決済は来月21日に行われる予定で、取引が完了すればパン議長のネットマーブル持分比率は既存の24.93%から38.34%へと高まる。創業者であり筆頭株主の保有持分が第2〜第4位株主の持分を合算したものより多くなり、パン議長中心のネットマーブルのガバナンスも強化される見通しだ。
今回の取引でテンセントのネットマーブル持分比率は既存の18.11%から4.7%へ低下する見通しだ。テンセントの保有持分が大幅に減少し、ネットマーブル持分17.34%を保有するCJ ENMが第2位株主、7.03%を保有するエヌシーが第3位株主に繰り上がり、テンセントは第4位株主へと下がることになる。ハンリバーインベストメントは公示を通じ、今回の持分売却の目的を「ネットマーブル普通株の処分による投資資金の回収」と明らかにした。
テンセントは具体的な投資リストを公開していないが、現在世界100社以上のゲーム開発会社に投資したか持分を保有しているゲーム業界の「大口」だ。「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」を開発した米国ライアットゲームズやフィンランドの「スーパーセル」など世界的ゲーム会社を子会社に置いている。韓国ではネットマーブルのほかにもKrafton・カカオゲームズ・SHIFT UPなどの主要株主であり、ネクソン・エヌシー・スマイルゲートなどとも長期にわたり協力してきた。中国市場でサービスされる韓国発ゲームの相当数がテンセントを通じて流通される構図だ。
テンセントは2014年、ハンリバーインベストメントを通じてネットマーブルの前身であるCJゲームズに5億ドル(約5300億ウォン)を投資して持分約28%を確保し、その後12年余りにわたりネットマーブルの主要株主の座を守ってきたが、今月に入って初めて保有持分の一部を処分することを決めた。ネットマーブル関係者は「持分関係の変動とは別に、両社間の事業上の協力関係は滞りなく継続する」と述べた。
◇ 低パフォーマンスのゲーム資産を整理する「選択と集中」…AIへ資本再配置
テンセントは先月、日本のゲーム開発会社マーベラスの持分20%を全量処分し、現地ゲーム会社数社の持分売却を追加で検討中だ。日本のゲーム専門メディア「ゲームビズ」は、テンセントが「資本効率性」に重点を置いて投資優先順位を調整し、2020年前後にテンセントから投資を受けた日本のゲーム会社の多数が今後影響を受けると報じた。
ゲーム業界関係者は「テンセントは成績が不振なゲーム会社の場合、損失を甘受してでも保有持分を既存経営陣に売り戻す形で整理し、こうして確保した資金を成長潜在力が高いと判断した分野に投入することにした」と語った。
現在テンセントはAI覇権争いで主導権を握るため、中国のアリババやTikTokの親会社バイトダンスなどと熾烈に競争している。大規模なAI投資を執行し、テンセントの第2四半期の資本支出規模は過去最大の528億元(約11兆ウォン)を記録し、今年の年間AI関連投資額は前年比2倍に増やすと明らかにした。アリババも非中核事業の整理の一環でゲーム事業部「Lingxi Games」を売却し、バイトダンスもゲーム開発会社・上海「ムントン・テクノロジー」を売却するなど、テンセントの競合も急成長するAI事業に資金を投じるためゲーム事業を処分している。
ネットマーブルは最近の新作の興行不振で収益性が悪化するなか、株価も1年間力強さを欠いており、テンセントの持分整理の決定に影響を与えたとの解釈が出ている。ネットマーブルの今年第2四半期の売上高は7492億ウォンで前年同期比4.4%増加したが、営業利益は801億ウォンで同期間に20.8%減少した。「モンギル:スターダイブ」「ゲーム・オブ・スローンズ:キングスロード」など今年第2四半期に投入したゲームの成績が市場の期待に及ばなかったためだ。会社は収益性を改善するため、多数の新作を投入して外形を拡大する代わりに、コスト効率化に重点を置き既存の人気知的財産(IP)の寿命を延ばす方向へ戦略を転換すると発表した。
ネットマーブルの株価は昨年9月時点で6万ウォン台まで上昇したが、今月に入り3万ウォン台となり、約1年の間にほぼ半値となった。
ウィ・ジョンヒョン中央大経営学部教授は「ネットマーブルは他のゲーム会社に比べ外部IPへの依存度が高く、最近の株価の動きも良くないため、テンセントとしては保有持分の一部を整理し、少数持分のみで協力関係を続けてもよいと判断したようだ」と述べた。
ゲーム業界はパン議長のネットマーブル持分が40%に迫る水準へ高まったことは、ガバナンス強化の観点で肯定的だと評価している。業界のある関係者は「パン議長が責任経営の意思を示した以上、今後ネットマーブルが自社開発のオリジナルIPの能力を強化することを含め、中長期の事業戦略の推進に弾みがつくことを期待する」と述べた。