SKハイニックスの労使が今年の賃金6.3%引き上げと超過利益分配金(PS)の60%を株式で支給する内容の賃金・団体協約(賃団協)の暫定合意案をまとめた。昨年導入したPS支給体制を1年で一部変更するものである。
20日SKハイニックスによると、労使は賃上げ率を6.3%に定め、PSの支給方式と赤字時の危機克服策、福利制度などを盛り込んだ暫定合意案を取りまとめた。労組は同日午後に緊急の臨時代議員大会を開き、暫定合意案の主要内容を代議員に説明した。
核心はPS支給方式の変更である。全体PSの40%は当該年度に現金で支給し、40%は当年に売却可能な株式で支給する。残りの20%は1年後と2年後にそれぞれ10%ずつ株式で繰り延べ支給する。
株式支給の比率は構成員が選択できる。PSの60%を株式で受け取るのが基本だが、構成員が望めば株式比率を最大100%まで高めることができる。実施初年度には資金運用などの理由がある構成員が現金支給を選べるようにした。
株価変動に応じた補完装置も用意した。株式数を定める際は、①年間暫定業績公示日の終値②PS現金支給日の終値③株式支給日の終値のうち最も低い価格を適用する。繰り延べ支給分は、実際に支給する年に株式数または繰り延べ金額のいずれか一方を確定する。
SKハイニックス側は「全体の成果給の60%を株式支給の基準としつつ、株式の規模と支給方式については構成員に選択権を付与し、希望する場合は100%まで設定できるようにした」と説明した。
先にSKハイニックスの労使は、昨年PSの原資を営業利益の10%に定め、支給上限を廃止する制度を導入した。当該体制は10年間維持することで合意した。当時はPSの80%を当該年度に現金で支給し、残りの20%を2年にわたりそれぞれ10%ずつ現金で繰り延べ支給することにした。
今年の交渉ではPS算定基準は維持しつつ、支給手段を現金中心から現金と株式を併用する構造に改めた。成果給の株式支給比率と売却可能な時点は、今回の賃団協過程で労使間の主要争点だった。
証券街の見通しのようにSKハイニックスの今年の年間営業利益が250兆ウォンに達する場合、営業利益の10%である25兆ウォンがPSの原資になる。これを全社員約3万5000人で単純に割ると、1人当たり平均約7億ウォン規模だ。実際の支給額は職級や個別評価などによって異なる。1人当たり平均PSを7億ウォンと仮定すると、基本の支給方式では約2億8000万ウォンを現金で受け取り、約2億8000万ウォン相当の株式は当該年度に受け取り売却できる。残り約1億4000万ウォン相当は2年にわたり繰り延べ支給される構造だ。
労使は、会社が赤字を計上する場合に備えた危機克服策にも合意した。雇用安定を前提に賃金の一部の支給を繰り延べ、会社が黒字転換すれば繰り延べた賃金を一時支給する方式と水準を合意案に盛り込んだ。SKハイニックスは2023年のメモリー市況低迷当時にも賃金の一部を繰り延べた後、黒字転換を確認して支給した経緯がある。
SKハイニックス側は「外部の仲裁や制度に頼らず、労使が自ら打開口を用意した点が今回の合意の出発点だ」とし、成果給の支給方式だけでなく、赤字時の危機克服策と社会的価値への参加策まで暫定合意案に盛り込んだと明らかにした。
構成員がPSの一部を寄付すると会社が同額を拠出する1対1マッチンググラント(Matching Grant)方式の社会貢献プログラムも推進する。参加の可否は構成員が自主的に決定する。食事単価の引き上げや慶弔支援プログラムなど福利に関する内容も暫定合意案に含まれた。
労組は今後、代議員投票を経て暫定合意案の最終可決の可否を決定する予定である。