サムスン電子がメモリ半導体価格の上昇で収益性が悪化したDX(デバイスエクスペリエンス)部門で、市場占有率の拡大による正面突破に乗り出す。競合各社も同様の原価負担を抱える以上、製品販売を増やして市場支配力を高める戦略である。
DXとDS(デバイスソリューション・半導体)部門間の成果給格差をめぐる内部不満に対しては、各事業部門の成果に応じて報いる既存の原則を維持するという立場を再確認した。
19日、業界によると、サムスン電子(005930)は同日、水原事業所R5モバイル研究所で、ノ・テムン代表理事兼DX部門長の主宰により、役職員向けの経営現況説明会を開いた。
サムスン電子は今年上半期のDX部門売上高が前年同期比で約2%増加したものの、メモリ半導体価格の上昇などの影響で収益性が大きく低下したと診断した。DX部門の上半期営業利益は2兆1000億ウォンで、昨年同期間の8兆ウォンの約4分の1水準に減少した。
とりわけ昨年より4倍以上上がったメモリ価格が完成品事業の原価負担を高めたとの分析である。サムスン電子は、メモリ価格の上昇基調が続く場合、スマートフォンを担当するMX事業部も当面は収益性の圧迫を受けるとみている。
サムスン電子は下半期の対応戦略として、市場占有率拡大と体質改善、来年度の革新製品の準備を示した。いわゆる「チップフレーション」による原価負担の増大はサムスン電子だけの問題ではない以上、競合他社より販売量を増やしてシェアを高めるということだ。
最近、市場の反応が良好なギャラクシーS26とギャラクシーZフォールド8シリーズを前面に出し、販売拡大に臨む方針である。競合が原価負担を理由に価格を上げたり出荷量を調整したりする間に市場占有率を引き上げ、今後メモリ価格が安定すれば拡大した販売基盤を収益へつなげる戦略とみられる。
この日の説明会では、DXとDS部門間の報酬格差をめぐる内部対立も主要なテーマとして扱われた。サムスン電子は、特定事業部門の成果給原資を他部門と分け合う方式は既存の経営原則に合致しない点を説明したと伝えられた。
サムスン電子は、半導体・ディスプレーなどの部品事業と完成品事業の利益相反を減らすために、2009年から両部門を事実上別会社のように運営してきたと説明した。部品の顧客企業が完成品市場では競合相手となる構造である以上、顧客情報や事業機密が他の事業部へ渡るのを防ぐため、人事・財務・会計などの経営支援機能まで分離したという。
会社側は、過去にDS部門が半導体不況で大規模投資を続けねばならなかった当時にも、MX事業部が稼いだ資金を投資に活用した後、利子を含めて返済する方式で運営したと説明した。特定部門の成果給原資が余ったからといって他の事業部門と共有した事例はなかったとして、「成果のあるところに報いる」という成果主義の原則を強調したとされる。
ただしDX部門の社員の間では、DS部門の業績回復後に成果給の格差が過度に拡大したとの不満が続いている。DX部門最大の労組であるサムスン電子労働組合同行は、21日にソウル瑞草区のサムスン電子瑞草社屋近くで大規模集会を開く予定だ。
労組は5月の賃金交渉妥結後も、DXとDS部門の報酬格差問題が解消されていないとして、DX部門の社員1人当たり自社株1000株水準の補償案などを求めている。予想参加人数は約3000人である。