人工知能(AI)の普及でメモリーが半導体性能を左右する中核技術として浮上し、中央処理装置(CPU)の強者であるインテルが次世代メモリー技術の開発に再び力を入れている。過去にDラムやNANDフラッシュなどメモリー製造事業からは撤退したが、AI時代の演算チップの性能を高めるためにメモリーとの接続・積層技術への投資を拡大している様子だ。
19日、業界によると、リップ・タン インテル最高経営責任者(CEO)は最近の「TechSurge」ポッドキャスト番組で、メモリーはもはや単純な汎用品ではなく、次世代のメモリー構造を研究していると明らかにした。タンCEOはCPUとメモリーを直接積み上げる方式も検討していると述べた。ただし具体的なメモリー事業計画は公開しなかった。
AI半導体では演算チップ自体の速度だけを高めても性能向上には限界がある。AIモデルが大型化し処理すべきデータが急増するなか、メモリーがこれをいかに速く供給できるかがシステム全体の性能を左右するためだ。演算速度にメモリーのデータ転送速度が追いつかない、いわゆる「メモリー・ウォール(Memory Wall)」が浮き彫りとなり、複数枚のDラムを垂直に積層した高帯域幅メモリー(HBM)がAIアクセラレーターの中核部品として定着した。
◇ インテル、次世代メモリー技術投資を拡大
インテルが開発に関与している次世代メモリー技術には「XBM(Cross-Batch Memory)」と「ZAM(Z-Angle Memory)」がある。両技術はいずれも大量のデータをより速く効率的に処理することを目指すが、アプローチは異なる。
XBMはHBMの複雑で高価なパッケージング構造を改善しようとする次世代メモリー構想である。現在のHBMはGPUとメモリーをシリコン素材の接続板である「インターポーザー」上に並べて配置し、データをやり取りしている。XBMはチップ間の高速接続技術を活用してこのようなパッケージングの負担を下げる新たな構造を提案する。ただしまだ特許を通じて概念が公開された段階で、具体的な製品化計画は示されていない。
ZAMはDラムを垂直に高密度で積み上げ、容量とデータ処理速度を高めつつ消費電力を下げる技術である。インテルはソフトバンク子会社のサイメモリー(SAIMEMORY)とZAMの商用化に向けた共同開発を進めている。サイメモリーは2027会計年度に試作品製作を経て、2029会計年度の商用化を目標としている。
タンCEOがメモリー技術を説明するなかで、6月に迎え入れたイ・ソクヒ上級副社長(前SKハイニックスCEO)に言及した点も目を引く。イ・ソクヒ上級副社長はインテルで先端パッケージングとシステム統合、後工程の技術開発および生産を統括する。インテルは同上級副社長の招聘当時、ロジックとメモリー、ネットワーキングなどを緊密に結合するシステム統合能力を強化すると明らかにした。
◇ メモリーで出発したインテル…事業復帰の可能性にも注目
インテルは1970年代、初期の商用Dラム市場を切り開いた「1103」を発売し、メモリー半導体で成長した会社である。日本企業との競争が激化すると、1985年にDラム事業から撤退しCPUに集中した。その後もNANDフラッシュ事業を続け、マイクロンと「3Dクロスポイント(3D XPoint)」を共同開発して「Optane(オプテイン)」製品を出したこともある。しかしオプテイン事業を中止し、NAND事業もSKハイニックスに売却したことで、現在はサムスン電子・SKハイニックスのようにDラムやNANDを大量生産するメモリー製造企業ではない。
メモリー製造から手を引いた後も、関連技術の研究は続けてきた。とりわけ複数種の半導体を1つのパッケージ内で高速に接続する先端パッケージングは、インテルが継続的に投資してきた分野だ。インテルは最近もAI半導体向けの2.5D・3D積層とチップ間接続技術を主要なファウンドリー競争力として掲げている。
AIの普及は、インテルが再びメモリーに目を向ける誘因を高めている。CPUやGPUの演算性能だけを高めても限界があり、演算チップとメモリーをどれだけ近く速く接続するかが全体の性能と電力効率を左右するようになったためだ。XBM・ZAMやCPU上にメモリーを直接積み上げる構想も、こうした変化の延長線上にある。
このため、今後インテルが次世代メモリー技術の開発を超え、メモリー事業に再び参入する可能性も取り沙汰される。タンCEOはまだ具体的な事業計画を明らかにしていないが、メモリー構造の革新可能性を強調し、関連技術への関心を公に示した。実際にDラム製造へ再参入するかは不透明だが、インテルがメモリー事業の歩幅を広げる場合、サムスン電子・SKハイニックスなど既存メモリー企業の競争構図にも変数となり得るとの見方が出ている。
半導体業界の関係者は「AI半導体では演算チップとメモリーの間のデータ移動速度と電力効率が一段と重要になっている」と述べ、「インテルが汎用Dラムの量産に再び参入すると見るのは時期尚早だが、メモリー技術を中核事業分野へと育てる可能性は注視する必要がある」と語った。