スマートフォンに続く次世代の人工知能(AI)基盤機器は指先で画面を押す「タッチ」方式ではなく人の声で操作するとの見方から、主要AI企業が音声AI技術の高度化に力を入れている。AIとの相互作用の体験を実際の人と会話するように自然にすることが目標である。
ChatGPTの開発元であるオープンAIは来年の発売を目標にAI専用機器を開発中である。10日AI業界によると、オープンAIがアップルで製品デザインを総括したジョニー・アイブと組んで準備中のAI機器はドーナツ形の可搬型スマートスピーカーで、ChatGPTを物理的な形で実装した初のハードウエア製品になるとされる。カメラとセンサーを搭載したこの機器は周辺環境を認識でき、音声で駆動が可能だ。利用者との対話内容を学習し、使うほどによりパーソナライズされたサービスを提供するよう設計された。
フェイスブックの持株会社であるMeta(メタ)はAI基盤のスマート眼鏡製品をスマートフォンに代わる次世代機器に位置づけ、2021年から関連製品を発売してきたが、いずれも音声で駆動する。利用者が「ヘイ・メタ」と呼びかけた後に言葉で質問すると、眼鏡に内蔵されたAIがこれを認識して応答する。グーグルとアップルもAIスマート眼鏡の発売を控えている。
企業は「次世代スマートフォン」として掲げるAI機器が利用者の日常に素早く浸透できるよう、自然な対話型AIの実現に注力している。これまで音声AIは一拍遅い応答、ロボットのような不自然な話し方、文脈を十分に把握できない問題などが短所として挙げられた。
オープンAIが今年5月に公開した最新音声AIモデル「GPT-リアルタイム-2」は、GPT-5級の推論能力を基に複雑な要求を処理できる音声AIモデルである。音声で入力された情報をリアルタイムで処理・生成する能力が既存の音声AIとの差別点である。
既存の音声AIは「利用者の音声認識→テキスト変換(STT)→大規模言語モデル(LLM)基盤の推論→テキストで回答生成→音声変換(TTS)」まで複数の段階を経ていた。その結果、応答速度が遅く、利用者とAIが互いの質問と回答が終わるまで待ってから話す「ターン(turn)制」方式のため会話の流れが途切れる場合が多かった。
「GPT-リアルタイム-2」はリアルタイムで話すことと聞くことを処理する「全二重(full-duplex)」方式を適用し、こうした問題を解消した。利用者がAIの回答の途中に割り込んで新たな質問をしたり、先に話した内容を途中で言い直しても即座に反応できるよう設計し、実際の人と対話するように自然なコミュニケーションが可能である。オープンAIの先端モデルは1秒あたり複数回にわたって対話内容を把握したうえで、話し続けるか、聞くか、少し止めるか、ツールを呼び出すかなどをリアルタイムで決定する。
オープンAIの関係者は「毎週1億5000万人以上がChatGPTの音声対話とディクテーション機能を利用している」と述べ、「リアルタイム音声AI技術を単純な問答水準を超え、会話の流れに沿って利用者の発話を聞き、推論し、翻訳し、書き取り、作業を遂行できるよう発展させている」と語った。
グーグルの主力音声AIモデル「Gemini 3.1 フラッシュ ライブ」は、利用者の抑揚、速度、音調、笑いなど細部まで認識し、これを基に推論と対話を進めるよう設計された。同じ言葉でも利用者が怒った声で話せばAIがこれを感知して応答方式を変える感情基盤対話(Affective Dialog)が可能だと、同社は説明した。
「Gemini 3.1 フラッシュ ライブ」も音声をテキストに変換する過程を経ずに音声をリアルタイムで処理する「オーディオ・トゥ・オーディオ」技術を基盤に作動し、音声とともに画像・テキスト・映像まで同時に認識・処理するマルチモーダル機能が特徴である。
フェイスブックの持株会社であるMeta(メタ)はAIグラス製品に適用する対話型AI技術を強化するため、音声AI専門スタートアップを買収するなど関連投資を拡大してきた。Meta(メタ)は昨年7月、AI基盤の音声合成技術で人に近い声を生成するスタートアップのプレイAIを買収し、8月には人の感情を理解して音声に反映する技術を開発するウェーブフォームズAIを取得した。
音声AIが企業コールセンターの「AI相談員」など一部分野に限られて使われる技術を超え、スマートスピーカー、スマート眼鏡など多様なウエアラブル(着用型)機器に搭載されるとの見方から、音声AIに特化するスタートアップにも資金が集まっている。イレブンラボ、ディープグラム、フムAI、カルテシア、セサミなど有望な音声AIスタートアップ5社は、ここ数年で累計15億ドル(約2兆ウォン)を超える投資資金を誘致した。