世界Dラム市場でシェア1.6%を占める台湾ナンヤテクノロジーが人工知能(AI)時代を見据え、先端Dラム投資に勝負をかけた。サムスン電子とSKハイニックス、マイクロンなど「ビッグ3」が高帯域幅メモリー(HBM)やDDR5などの先端製品へ生産を転換する中で生じたDDR4供給不足で得た収益を土台に、旧世代Dラムメーカーから先端Dラムメーカーへ飛躍する戦略である。
6日、市場調査会社トレンドフォースによれば、ナンヤは台湾の新工場「Fab 5A」に2026年から2029年まで最大3466億台湾ドル(約107億ドル・15兆ウォン)を投資する計画である。台湾のDラム業界で約20年ぶりに行われる最大規模の単独投資だ。市場需要に応じて投資が拡大する場合、総投資規模は最大160億ドルまで増える可能性がある。
新工場には極端紫外線(EUV)露光装置が導入される。EUVは極めて短い波長の光でウエハーに微細回路を刻む先端装置で、より多くのチップを生産し、性能と電力効率を高めることができる。サムスン電子とSKハイニックス、米マイクロンなどグローバルDラム3強も先端Dラムの生産にEUVを活用している。
ナンヤはこれまでDDR3・DDR4など汎用Dラム中心の事業構造を維持してきた。今年第1四半期時点のグローバルDラム市場シェアは1.6%で5位だ。ビッグ3が先端工程へ移行して空いた汎用Dラム市場を攻略し、収益を確保する戦略を展開してきた。
しかしFab 5Aを起点に事業構造を変える計画である。新工場では10ナノ級1b・1c・1d・1e工程を順次導入する。現在1c工程を試験生産中で、1d工程も開発している。全売上に占める約10%水準のDDR5比率を拡大し、モバイル向けLPDDR5も今年下半期に顧客認証を開始する予定だ。
Fab 5Aは2027年下半期にウエハー生産を開始する。生産能力は2028年に月3万枚、2029年に月3万5900枚を経て、最大で月4万5000枚まで拡大する計画だ。ナンヤは今年の設備投資(CAPEX)も従来の520億台湾ドルから697億台湾ドルへ34%増やし、増額分の資金はFab 5Aの装置前払金などに投入される。
今回の大規模投資の背景にはDDR4市場の好況がある。サムスン電子とSKハイニックス、マイクロンがHBMとDDR5など高付加価値製品へ生産能力を転換する中でDDR4供給は減ったが、産業用とサーバー、PCの需要は維持され、価格が急騰した。汎用Dラム比率が高いナンヤは、この恩恵を最も大きく受けた企業の一つだ。
実際にナンヤの先月の売上高は438億7000万台湾ドルで前年同期比719.6%増となり、過去最高を記録した。前月比でも49.3%増えた。今年第1四半期の売上高も、DDR4・DDR3価格の上昇と在庫減少の影響で前四半期比60%増の15億5000万ドルを記録した。
業界では、ナンヤが汎用Dラムの好況で確保したキャッシュを先端工程投資に再投資し、事業体質の改善に乗り出したと見ている。AIメモリー中心に市場が再編される中で、DDR4特需で確保した収益を基盤に先端Dラム市場への参入を本格化しようとする戦略だという分析である。