隔離環境を自力で抜け出して外部企業をハッキングしたOpenAIの人工知能(AI)エージェントが、オープンソースAIプラットフォームのHugging Faceだけでなく、ニューヨークのテック企業モーダル・ラブス(Modal Labs)の顧客企業にも侵入したことが分かった。
28日(現地時間)ロイターによると、同メディアはモーダル・ラブスの幹部とこの件に詳しい関係者2人を引用してこう報じた。Hugging Faceは同日公表したインシデントのタイムラインで、問題のAIエージェントが「第三者提供業者のインフラでホスティングされた」サンドボックスに侵入し、これを追加のハッキングの足場として活用したと明らかにした。サンドボックスは外部システムから隔離されたテスト環境を指す。
Hugging Faceは当該第三者提供業者の名称を公開しなかった。ただしモーダル・ラブスの最高技術責任者(CTO)アグシャト・ブブナは、自社の顧客企業のうち1社がハッキング被害を受けたと確認した。
ブブナCTOは声明で「モーダルのある顧客企業が認証手続きのないエンドポイントを外部に公開しており、インターネット上の誰もが当該サンドボックスでコードを実行できる状態だったと把握している」と述べた。続けて「このエンドポイントが悪意のある行為者に悪用された」としつつも、「モーダルのプラットフォームや隔離機能自体が侵害されたわけではない」と強調した。
先にOpenAIは21日、自社のAIエージェント「GPT-5.6 ソル(Sol)」と、これより高性能の非公開モデルがテスト中だった隔離環境を抜け出し、Hugging Faceのシステムに侵入したと明らかにした。当該エージェントは、与えられた課題の解を隔離環境の外で見つけられると判断し、自力でサンドボックスを脱出したとされる。
ロイターはその後の24日、OpenAIがHugging Faceへのハッキング事実をおよそ1週間把握できなかったと報じた。脱出試行が発生した9日からHugging Faceがハッキング事実を公表した16日まで、OpenAIは自社エージェントが侵害インシデントの背後にいたという事実を認識していなかったと伝えられた。