21日、ソウル瑞草区ヨムゴク洞のハーマンカラボの試聴室内部。正面にはバング&オルフセン「ベオラブ50」とJBLリファレンスモニターが設置されている。ここでは車載音響システムの基準となるリファレンスサウンドと7.1.4chのDolby Atmos音響を試験する。/チョン・ドゥヨン記者

ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲集「四季」のうち「冬」が試聴室で再生されると、バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス・ハープシコードがそれぞれ異なる位置で演奏されているように聞こえた。電子音楽に切り替えると、音は左右と前後を越えて頭上まで移動した。天井のマイクを作動させると、小さな部屋は残響が長い大規模なホールへと広がった。

同じ音源をジェネシスG90の車内で改めて聴いた。完全に統制された試聴室と同一とはいかなかったが、楽器の位置・ボーカルの中心・ホールの空間感などはかなりの部分で近かった。体感では試聴室で聴いた音響の約80%が再現されたように感じた。

ソウル瑞草区ヨムゴクトンに設けられたハーマン・カラボを21日に訪れた。サムスン電子子会社のハーマン・インターナショナル・コリアが車載音響システムの基準となる「リファレンスサウンド」を作り、検証する場所である。試聴室で作った「正解」を、限られた車室空間にできるだけ近づけて移す作業が行われる。

ジェネシスG90に搭載された音響システムは、ハーマンがこの空間で開発した代表的製品である。ボーカルの中心や楽器の位置、ホールの残響など、試聴室で聴いた高品位な音響がジェネシスG90でも類似して実現された。

ただし精密なチューニングは、車両を停止させ外部要因を統制した環境で進める。実際の消費者は走行中に音楽を聴く場合が多く、路面・タイヤ・風切り音が加わると、微細な音像や残響を同じ水準で感じるのは難しい可能性がある。

コンテンツの制約もある。一般的な音源を自動でサラウンド形式に拡張することはできるが、ドルビーアトモスが意図する楽器の高さや移動情報を正確に再現するには、それに合わせて制作された音源を選ぶ必要がある。消費者が高価なオプションのオーディオを搭載しても、互換する音源を探して再生しなければ3次元音響効果を十分に享受しにくいという意味である。

21日、ソウル瑞草区ヨムゴク洞のハーマンカラボの車両試験スペースにジェネシスG90など複数の車両が並ぶ。ハーマンは開発車を持ち込み、スピーカー配置や音像、周波数特性、ソフトウエア設定値などを測定・調整する。/チョン・ドゥヨン記者

◇ 車両開発の初期から関与するASEチーム

カラボを運営するハーマン・カーオーディオ・アコースティックシステムエンジニアリング(ASE)チームは、完成車の設計が終わってから音量だけを調整する組織ではない。車両開発の初期からスピーカーの数と位置はもちろん、アンプ出力、デジタル信号処理装置(DSP)の信号フロー、ソフトウエア機能を設計し、最適な音響条件を車両に実装する役割を担う。

ハーマンは試聴室の理想的な音を100点とし、車格と車両サイズ、ブランドの志向、競合モデルに応じて目標性能を定め、これを実現する。世界9カ国12拠点でASEエンジニア約100人がこの作業のために類似の試聴室と同一のリファレンスシステムを使用する。韓国のASEチームは8人である。

エンジニアは評価用音源を繰り返し聴きながら周波数バランスとターゲットカーブを測定し、ボーカルと楽器の位置、空間感などを比較する。周波数と音量のバランスは数値で確認できるが、音像が意図した位置に結ぶかどうかは、熟練エンジニアの聴取経験に基づいて判断する。ハーマンは同一の評価曲と内部基準を用い、別途のベンチマーキング組織が成果物を再検証する方式で、評価者によるばらつきを抑えている。

ハーマン社員がソウル瑞草区のハーマンカラボ試聴室でタブレットを用い音響条件を切り替えながら音を検証している。ハーマンカーオーディオアコースティックシステムエンジニアリング(ASE)チームは、ここで音源の楽器・ボーカル位置と帯域別バランスを確認し、車載オーディオのチューニング基準に活用する。/ハーマンインターナショナルコリア

◇ センタースピーカーは切っていたのに…正面から聞こえた声

幅4.8m、奥行き7m、高さ3mのモジュール型防音ブース内には、バング&オルフセン「ベオラブ50」2台とJBLリファレンスモニター11台が配置された。左右・中央・側面・後面の7チャンネル、低音1チャンネル、天井4チャンネルで構成された7.1.4チャンネルのドルビーアトモス環境が実現されている。ハーマンASEチームは、ここで確認した音響を車両チューニングの基準として活用する。チョン・ソニョン ハーマンコリア オートモーティブ・マーケティング&コミュニケーション理事は「外部騒音を遮断した状態で音源が持つ音を正確に聴き、これを車両開発の基準とする空間だ」と述べた。

試聴室でモノ音源(単一チャンネルで作った音源)を再生すると、センタースピーカーを作動させていなかったのにボーカルが中央から聞こえた。左右スピーカーが同じ信号を同一の音量・時点で出力し、仮想の音像(音が結ぶ位置)を作る「ファントムセンター」が明瞭に感じられた。左右チャンネルの音量と再生タイミングを変えると、音像は中央から左と右の間へと動いた。

ソウル瑞草区ヨムゴク洞のハーマンカラボ試聴室内部。/ハーマンインターナショナルコリア

チェ・ユソク ハーマンコリア・カーオーディオASEチーム プロは「エンジニアがリファレンス曲でボーカルと楽器がどこに位置し、どのようなバランスで録音されたかを把握したうえで、車両でも同じ感覚になるようにチューニングする」と語った。

ドルビーアトモス音源を再生すると、電子音楽のバンドサウンドと効果音が四方と頭上を行き交った。クラシックでは、楽器を後方や天井へ移すよりも、ホールの反射音と残響を加えて空間を広げた。ステレオが正面の平面に音を配置するのに対し、ドルビーアトモスは上と後ろまで音響空間を拡張した。

ハーマンの空間音響技術「バーチャル・ヴェニュー・ライブ」を作動させると、スピーカーから出た音が天井マイクに拾われて再生され、長い残響が付加された。ハーマンは実際のホールのインパルス応答(短い音を出した際に現れる反射音・残響特性)を測定してデータ化し、これを車載オーディオに適用する。

◇ ジェネシスG90で改めて聴く試聴室の「正解」

試聴室の隣の作業室には、バング&オルフセン・プレミア3Dサウンドシステムを搭載したジェネシスG90が置かれていた。エンジンを始動すると、ダッシュボード両側のツイーターがせり上がった。運転席のヘッドレストと天井にもスピーカーが付く。スピーカーは合計23個、マイクは8個だ。

基本音響で音楽をかけると、ボーカルはダッシュボード上の正面に定まり、左右の楽器も区別された。車載画面で「ボストン・シンフォニーホール」を選ぶと、残響が滑らかに伸びた。「ウェンブリー・スタジアム」に切り替え、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」のライブ音源を再生すると、バンドと観客の音が前後と上方から押し寄せた。

一般的なサラウンドが音の横幅を広げるのに対し、バーチャル・ヴェニュー・ライブは車内にホールの規模と残響まで纏わせる方式に近かった。この技術は2022年にG90へ初搭載され、2024年型にはウェンブリー・スタジアム・モードが追加された。

ムン・ソヨン ハーマンコリア・カーオーディオASEチーム 総括ディレクターは「ジェネシスはグローバル完成車の車載オーディオを比較した場合、数少ない最上位圏のシステムの一つだ」と述べた。イ・ジョンファン ハーマンコリア・カーオーディオASEチーム プロは「最も重要なのは音の位置感と音像だ」とし、「試聴室で複数の楽器の音像がどこにあるべきかを確認し、車両でも同じ位置で聞こえるようバランスを取る」と語った。試聴室と比べたG90の実現水準を問うと、イ・ジョンファン プロは「ほとんど同一に合わせたと見てよい」と答えた。

ジェネシスG90のダッシュボード上部に採用されたバング&オルフセンのアコースティックレンズ技術(ALT)スピーカー。エンジン始動でスピーカーが上昇し、高域を車内に広く届ける。/ハーマンインターナショナルコリア

ASEチームは開発車両を停止させた状態でコンピュータを接続し、アンプソフトウエアの設定値を変えながら同じ評価音源を繰り返し聴く。車両開発の過程では、スピーカーの振動で他の部品から雑音が発生するかも点検し、プロトタイプとパイロット段階で追加チューニングを進める。ただし、音像と周波数バランスを精緻に調整する中核作業は、外部要因が少ない停止環境を中心に行われる。

今回の体験もジェネシスG90を停止させた状態で進めた。外部騒音を制限した条件でも、試聴室とG90の間には一定の差が感じられた。路面・タイヤ・風切り音が加わる実際の走行環境では、試聴室で感じた楽器の位置とホールの残響が相対的に弱まる可能性がある。車両の振動と騒音を点検しソフトウエアで補っても、統制された開発環境と消費者の実際の聴取環境の間にはギャップが残る。

ジェネシスG90に採用されたバング&オルフセン・プレミア3Dサウンドシステムのヘッドライナースピーカー。車両天井にスピーカーを配置し、上方まで音場を拡張して立体的な音を実現する。/ハーマンインターナショナルコリア提供

◇ 「設計から最終検証まで責任を負う開発システムが『強み』」

車内に試聴室水準の環境を実現するのは、スピーカーの数を増やすだけで解決する問題ではない。座席とガラス、内装材が音を反射し、部品を置く空間も限られる。ASEチームは車両設計の初期からスピーカーとアンプの配置を完成車メーカーと調整する。望む位置にスピーカーを置きにくければ、配置を変更するかソフトウエアチューニングで補う。

ASEチームは顧客企業から開発車両を受け取り、ソフトウエアの値を変えながら同じ評価音源を繰り返し聴く。車両設計の開始から関与する全体の開発期間は通常2〜3年だ。1車種の集中チューニングには2週間を要する。その後、別途のベンチマーキング組織の最終評価を通過して、完成した音響システムとして消費者に届く。

ムン総括ディレクターは、カラボで定めた音響の基準を車両設計と複数回のチューニング・検証を経て実際の室内空間へ移す「開発システム」がハーマンの競争力だと強調した。ムン総括ディレクターは「ハーマンはスピーカーとアンプを納品して終わりではなく、自動車を共に作り上げていく会社だ」とし、「カラボで蓄積した設計・チューニングのノウハウを基に、消費者が車内でも高水準の音響を体験できるようにすることが目標だ」と述べた。

※ 本記事はAIで翻訳されています。ご意見はこちらのフォームから送信してください。