22日(現地時間)に米サンフランシスコで開かれた「AMD Advancing AI 2026」の会場内デモゾーン。/サンフランシスコ=コウ・ミンギュ記者

チャットボットに質問を一つ投げて終わる時代は過ぎ去った。いまや人工知能(AI)は自ら計画を立て、複数のツールを呼び出して使い、中間結果を再検討するかたちで、一つのリクエストにも数十、数百回と応答をやり取りする「エージェンティック(agentic)AI」へと進化している。質問一つにトークン一つで済んだ過去と違い、いまは作業一つを処理するにもはるかに多くのトークンが消費されるというわけだ。

このなかでAMDは半導体チップ一つの性能を誇示する代わりに、別のアプローチを選んだ。チップとサーバー、これらをつなぐネットワーク機器まで丸ごと束ねたAIインフラ全体を「トークン1個をいかに安く生み出すか」を基準に、システム全体を再設計した。いくらチップ一つの演算速度が速くても、そのチップを取り巻くサーバーとネットワークがボトルネックになれば全体コストは下がらないという問題意識から出発したアプローチである。

◇ 「AIサービス、『速度』より『トークン1個の価格』が肝心」

AMDは22日(現地時間)、米サンフランシスコのモスコン・ウエストで開かれた年次イベント「AMD Advancing AI 2026」で新型AIアクセラレータ「Instinct MI455X」と、これをラック単位で束ねたシステム「Helios(ヘリオス)」を公開した。この日AMDは、ヘリオスの最大の強みとして、チップ・サーバー・ネットワークを最初から一つのセットとして共に設計した点、これによりラック一つを丸ごと稼働させた際の実際の運用コストがどれだけ削減されたかを中核メッセージとして打ち出した。

トークンはAIモデルが文章を生成する際に用いる最小単位だ。ChatGPTやClaudeのようなAIサービスに質問すると、AIは回答をトークン単位で一つずつ生成するが、このトークンを作るのにかかる電気代やハードウェア費用などが、そのままAI企業の運営原価となる。とりわけエージェンティックAIのようにAIが自ら複数の段階を経て作業を処理する方式が増えるほど、一つのリクエストを処理するのに消費されるトークン数自体が幾何級数的に増える。

AMDはこの日、AI産業で進行している構造的変化も併せて点検した。AMDデータセンターGPU事業部担当副社長のアンドリュー・ディクマンは「AI半導体需要は2024年だけを見ればモデルを学習させる『訓練』作業が全体の60%を占めたが、2026年には実サービスで回答を出す『推論』作業が60%へと逆転した」と述べ、「モデルを一度うまく作っておけば、その後は毎日多数のユーザーに対し、しかもますます複雑になるかたちで回答を出すのがAI半導体の主たる業務になった」と説明した。

この流れでは、チップ一つがどれだけ速く計算するかよりも、チップとサーバー、ネットワークを一体で束ねたインフラ全体がトークン一つ一つを生み出すのにいくら費用を使うかがより重要になる。AMDが今回の発表で個別部品の性能より「ラック全体の経済性」を前面に出したのもこのためだ。

◇ チップを越え、ラック全体を一つのシステムとして再設計

22日(現地時間)に米サンフランシスコで開催された「AMD Advancing AI 2026」で公開された次世代AIシステム「ヘリオス」。/サンフランシスコ=コウ・ミンギュ記者

この方式のアプローチを具体化した成果物が、AMDの次世代AIソリューションであるヘリオスだ。AMDは個別半導体の改良にとどまらず、サーバー用CPU(中央処理装置)とGPU、これらをつなぐネットワーク機器まで、最初から一つのセットとして共に設計した。部品一つ一つの性能を極大化する代わりに、全体システムが歯車のように噛み合って動くようにして、無駄なコストを減らすというアプローチである。

AMDはコストだけでなく性能の面でも、競合するエヌビディアの次世代ラックシステム「Vera Rubin NVL72」対比で優位性を掲げた。AMDによれば、実際のAIモデル(Kimi K2 Thinking)を走らせた自社テストで、ヘリオスは応答速度の条件に応じてエヌビディア製品より処理速度が10〜15%速かった。これをコストに換算すると、同じ資金でも最大30%多くのトークンを生み出せるというのがAMDの試算だ。

AMD側は、ヘリオスを設計するうえで同じ費用でより多くの演算を処理することに焦点を当てたと説明した。個別部品の性能を高めるやり方ではなく、ラック全体のコスト対産出量を引き上げる方向で設計方針を定めた。AI企業の立場から、同じ予算でもAIサービスを通じてより多くの成果物を生み出せるよう支援し、AIエコシステムでの影響力を拡大する戦略である。

AMD関係者は「個別チップではなくインフラ全体を経済性中心に再設計したのは、結局AI企業が半導体を選ぶ際に最終的に勘案するのが『演算能力』そのものではなく『いかに安くサービスを運営できるか』という判断が働くためだ」と述べ、「OpenAI、Meta(メタ)、マイクロソフト、オラクル、Anthropicなど大手AI企業がすでにヘリオス導入を確定したのも、この生産性の論理が作用したためだ」と説明した。

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