グーグルの人工知能(AI)部門の責任者が、汎用人工知能(AGI)が目前に迫っているとして、米国主導の規制機関の新設が必要だと主張した。
ノーベル化学賞受賞者のデミス・ハサビス、グーグル・ディープマインド最高経営責任者(CEO)は14日(現地時間)、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるエックス(X・旧ツイッター)を通じて「AGIが登場するまでにはわずか数年しか残っていない」と見通した。ハサビスCEOは、2016年にイ・セドル九段に勝利した囲碁AI「アルファ碁」の生みの親と呼ばれる人物で、タンパク質構造を予測するAIプログラム「アルファフォールド」を開発した功績が認められ、2024年ノーベル化学賞を共同受賞した。
ハサビスCEOは「この技術が及ぼす影響の規模は前例がなく、おそらく産業革命より10倍大きく、速い速度で進む」とし、「AGIはインターネットやモバイルではなく、電気や火の発見に近い水準だ」と強調した。
ハサビスCEOは、AGIの到来による不確実性とリスクが大きいため「慎重な楽観主義」を堅持すべきだとして、関連する規制機関の新設が必要だと主張した。英国人であるハサビスCEOは「経済的・技術的な地位を考慮すると、米国がこのような体制を整える第一歩を踏み出すのに有利な位置にある」として、米国がこれを主導すべきだとの見解を示した。
ハサビスCEOは、民間機構でありながら証券取引委員会(SEC)の監督下でウォール街を規制する金融産業規制機構(FINRA)をモデルとして提示した。新設機構がAIモデルを評価し、連邦機関などと協力してサイバーセキュリティ、生物学的リスクなど安全保障に関わる分野でこれを試験する責務を負うべきだということだ。
このために、初期には最先端AI研究所がモデルのリリース30日前に標準機構に自発的に提出して審査を受けるようにし、このような評価手続きが有効であることが立証されれば提出を義務化する案を示した。こうした案の利点として、技術発展に重点を置きながら同時にイノベーションを支援し、責任ある行動を促す点を挙げた。
このように米国が主導する機構が整備されれば、AIに関する国際標準の策定につながるとも強調した。ハサビスCEOのこの提案は、米商務省が最近、AnthropicのAIモデル「Claude Mythos」などに対して安全保障を理由に当面、外国人向けサービスを提供できないよう輸出禁止の指針を出したことと関連しているとみられる。オープンAIも最新AIモデル「GPT-5.6」を米政府が承認した一部機関にのみ先行公開する過程を経て正式にリリースした。
ハサビスCEOは、この提案を公表する前に数カ月間、ドナルド・トランプ政権や欧州の関係者、AI分野の同僚らと事前協議を行ったとされる。トランプ大統領はAI企業が最新の高性能モデルを出す30日前に政府に提出してセキュリティ検証を受けるよう求める大統領令に先月初め署名した。