SKテレコムとSKバイオファームの研究陣がAIを活用した新薬探索の成果について協議する様子。/ SKテレコム

SKテレコムとSKバイオファームが人工知能(AI)を活用し、難治性がんの標的治療薬開発に適用できる初期有効物質を見いだした。通常1〜2年かかっていた新薬開発の初期研究期間も約5カ月に短縮した。

SKテレコムはSKバイオファームと共同研究を進め、がん細胞表面タンパク質である「ROR1」に結合するバインダー候補を設計・分析し、実験を通じてこのうち2種類の可能性を確認したと15日明らかにした。バインダーは特定疾患の標的に選択的に結合するよう設計された物質である。

ROR1は一部の血液がんと固形がんで正常細胞より多く発現するタンパク質で、抗がん標的治療薬の開発分野で注目を集めている。SKバイオファームは新薬開発の経験を踏まえ、候補物質の発掘戦略と検証体制を整え、SKテレコムはAIを用いて新しい分子構造を大量生成し、結合可能性の高い候補を絞り込んだ。

研究陣は学習データが不足する新薬開発分野の特性を踏まえ、タンパク質断片であるフラグメントを多様な形で組み合わせる機械学習手法を適用した。強化学習により、構造的に安定した組み合わせに高い報酬を与えるよう設計し、AIが最適なバインダー構造を探索するようにした。

候補選別の過程にはSKテレコムのグラフィックス処理装置(GPU)資源が活用された。多数の物質を同時に分析した後、AIモデルでROR1との結合構造と可能性を予測して実験対象を絞り込んだ。これにより初期研究期間を従来方式より60%以上短縮したという説明である。

SKテレコムは今回の成果を機に、自社のAIファウンデーションモデルを活用したバイオ特化の大規模言語モデル開発などでSKバイオファームとの協力範囲を広げる方策も検討する計画である。

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