リュ・ジェチョルLGエレクトロニクス社長とホームロボット「LGクロイド」。/LGエレクトロニクス

LGエレクトロニクスが新規家電の開発過程で数日を要していた部品検討作業を30分前後に短縮できる人工知能(AI)システムの構築に成功したことが確認された。現在は概念検証(PoC)を進めており、年内に社内へ本格導入することを目標としている。

リュ・ジェチョルLGエレクトロニクス社長は年初に最高経営責任者(CEO)に就任して以降、「インテリジェンス・トランスフォーメーション」(AX)による業務効率の改善を一貫して強調してきた。リュ社長の経営哲学が実際の研究開発(R&D)環境に適用され、「働き方」を変えている。

30日、ChosunBizの取材を総合すると、LGエレクトロニクスはAI基盤の部品探索エージェントを開発し、現在PoCを進めている。LGエレクトロニクスはこのシステムを開発するため、数十年にわたり蓄積してきた設計資料をAIが学習・分析・推論できる「AIレディ」(AI-ready)データへと転換した。これを基に部品探索AIエージェント「パートリバー」(Part-Riever)を構築した。パートリバーは部品を意味する「パート」(Part)と取り戻すという意味の「リトリーブ」(Retrieve)を組み合わせた名称である。

冷蔵庫・洗濯機・乾燥機などの大型家電1台には1000個以上の部品が入る。LGエレクトロニクスのエンジニアは新製品を開発するたびに数十万件の部品データを探し、比較・検討しなければならなかった。

設計データへアクセスするにも多くの制約があった。セキュリティなどを理由に複数のシステムに分散して保存されているためだ。さらに大半が2次元(D)図面や3D形状データといった非構造の形で存在し、エンジニアが必要な情報を探すのに莫大な時間を要した。LGエレクトロニクスの構成員はこれまで、部品探索を関係部門に依存したり、過去の開発履歴などに頼って処理してきた。

LGエレクトロニクスはパートリバーを通じて、個人の経験と過去の履歴に依存していた従来の部品検討方式をAI基盤のデータ分析体制へと切り替えた。設計データをAIが理解し活用できる形に加工し、アクセス性を大幅に高めた。新任エンジニアもベテランエンジニアに助言を求めずとも、蓄積された設計資産を活用して部品検討と意思決定が可能になった。

パートリバーの核心は自然言語検索である。エンジニアが日常の話し方で条件を入力すると、AIが既存の設計資産から適合する部品を見つけ出す。「既存モデルと類似し、出力が1000ワット(W)以上のステンレス材質のヒーター部品を探してほしい」と入力すれば、AIが単純なキーワード検索を超えて2D図面・3D形状・技術文書など多様なデータを総合分析して結果を提示する仕組みだ。LGエレクトロニクスによると、部品名や規格が異なっていても最適な類似部品を見つけて提案するのに要する時間は通常1〜2分にすぎない。

LGエレクトロニクスはこうした機能を実装するため、2D図面から部品の仕様・材質はもちろん、製作条件である図面注記などの核心情報を抽出して構造化した。3D形状データは形状特徴を方向性を持つベクトル(Vector)形態へ変換した。AIが部品間の類似性を自ら判断できる基盤を整えた。

LGエレクトロニクスが一部作業にパートリバーを適用した結果、従来は数日かかった作業が約30分に短縮された。最近の電気レンジ新製品の開発過程では、パートリバーが候補部品550余りを分析し、適合する類似部品を提案する成果も確認された。新規に開発すべき部品数が約25%減った。検証済み部品を共用化することで、開発スピードと生産効率、設計品質を同時に高めた。

LGエレクトロニクスはパートリバーを新製品開発だけでなく、品質改善の実現にも活用する計画だ。検証済み部品を複数の製品群で再利用すれば、品質のばらつきと不良の可能性を下げられる。同一部品の適用範囲が広がれば、サービス段階での部品調達とアフターサービス(A/S)対応速度の向上も期待できる。協力会社の部品生産と運用効率を高め、サプライチェーン全体の競争力強化も狙う。

LGエレクトロニクスは現在進行中のPoCを終え、必要があれば補完作業を進めて年内にパートリバーを社内へ導入する計画である。さらに、設計データをはじめとする製造・開発全般のデータをAIが活用できる資産へと転換し、AX中心の製造革新を加速する方針だ。

LGエレクトロニクスのパートリバー開発はリュ社長の全面的な支援の下で進められたと伝わっている。リュ社長は就任後、AXによって「働き方」を再定義し、業務効率を高め価値ある案件に力量を集中することが重要だと強調してきた。1月、就任後初の記者懇談会でも「AIの登場で働き方が変わった」と述べ、「AIを活用してスピード勝負で必ず勝てるよう、『品質・コスト・納期』(Quality・Cost・Delivery)の競争力を築いていく」と語ったことがある。

LGエレクトロニクス関係者は「設計データの資産化とAIエージェントの開発は、個人の経験とノウハウを組織全体が活用できる資産へ転換するプロセスだ」と述べ、「今後もAI基盤の製造革新により開発スピードと品質を高め、顧客体験の革新を主導していく」と語った。

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