最近、グーグルの人工知能(AI)人材が競合他社へ相次いで流出している。トランスフォーマー論文の共同著者である副社長のOpenAI行きに続き、ノーベル賞受賞経歴を持つ副社長と「Gemini」開発を主導した中核研究者2人がAnthropicへ移る。人材流出を受け、グーグルの持株会社アルファベットの株価は今月に入り9.2%下落した。業界では「グーグル・エクソダス」の原因として、意思決定構造とAGI(汎用人工知能)開発に専念できる研究環境を指摘する。
◇ グーグルのAI俊英、Anthropic・OpenAI行き…今月に入り株価9.2%下落
24日(現地時間)ブルームバーグ通信によると、グーグル・ディープマインド所属の上級研究者であるジョナス・アドラーとアレクサンダー・フリッツェルがAnthropicへ移る計画だと報じた。2人は社内でGeminiモデル開発に中核的役割を果たした研究者と評価されている。アドラーはAIコーディング分野で働き、フリッツェルはAIシステムの学習領域を担当してきた。
今回の事例は、相次ぐAI中核人材流出の流れの延長線上にある。先に今月に入り、グーグルでは生成AIの礎となったトランスフォーマー論文の共同著者であり「Gemini」の中核開発者であるノアム・シャジアー グーグル・エンジニアリング副社長がOpenAIに合流した。続いて、タンパク質構造予測AIモデル「アルファフォールド」開発で2024年ノーベル化学賞を受けたジョン・ジャンパー グーグル・ディープマインド副社長もAnthropicへ移った。
相次ぐ中核人材の流出で、グーグルの持株会社アルファベットの株価も軟調が続いている。前日、アルファベット株は取引時間中に一時1.20%まで下落した後、345.29ドルで引け、前営業日比0.24%下落した。先立つ22日(現地時間)には前営業日比4.99%下落し、これは直近1年で最大の下げ幅だ。今月に入ってからだけでも、アルファベットの株価は終値ベースで9.21%急落した。
このため、グーグルがAI主導権競争で出遅れるとの懸念も強まっている。ギル・ルリア DAデイビソン テクノロジーリサーチ責任者は「グーグルは最前線のAI人材戦争で劣勢に立っている」と評価した。ルリアは「グーグルは昨年、数週間の間、最先端モデルを保有しているとの評価を受けAIの勝者と認められたが、その後に後れを取った」とし、「今回の離脱は、その流れが続いていることを意味し得る」と述べた。
◇ 遅い意思決定から研究環境・報酬まで見劣り
業界では、いわゆる「グーグル・エクソダス」の背景として、スタートアップに比べた遅い意思決定構造とAGI開発の優先順位が相対的に低い点を挙げる。ギル・ルリア責任者は「最上位のAI研究人材は極めて限られるため、最前線のAI研究所は彼らを確保するためにあらゆる手段を講じている」とし、「OpenAIとAnthropicは、グーグルのような大企業より官僚主義が少なく、AGI開発により集中できる環境を提供する点で優位性がある」と分析した。
グーグルが4兆ウォンを投じて迎え入れたシャジアーの事例もこれを示す。テクノロジー専門メディアのワイアードによると、トランスフォーマー論文が発表された2017年以降、シャジアーはグーグル経営陣に大規模言語モデル(LLM)開発を提案したが受け入れられなかった。一方、OpenAIは同じアイデアを発展させてGPTシリーズを打ち出し、生成AI時代を切り開いた。これはグーグルの硬直的な意思決定構造と革新の欠如を象徴的に示した事例と評価されている。今回のシャジアーのOpenAI合流で、トランスフォーマー論文の共同著者8人は全員グーグルを去ることになった。
報酬制度も人材移動を後押しする要因とされる。過去には、グーグルが業界最高水準の年俸を前面に出して人材を確保したが、最近ではAIスタートアップが大型ストックオプションを武器に人材を積極的に誘引している。新規株式公開(IPO)を控えた企業に初期メンバーとして合流する場合、多額の持分報酬を期待できるためだ。AnthropicとOpenAIは今年秋のIPOを計画しているとされる。