クナ・ナラパン(Kunaciilan Nallappan)F5アジア太平洋・中国・日本(APCJ)地域マーケティング副社長が23日、ソウル・サムソン洞のウェスティンソウルパルナスで開かれた「F5アプリワールドソウル2026」記者懇談会で発表している。/F5

「人工知能(AI)時代の企業セキュリティの核心はスピードだ。ハッカーは機械の速度で勢力を急速に拡大しているが、企業はいまだに人間の速度で防御しており、脅威にさらされている。F5はリアルタイムでAIベースの攻撃を学習し検知する防御体制を構築し、ハッカーがAIシステムの出入口を通過できないようにする」

クナ・ナラッパン(Kunaciilan Nallappan)F5アジア太平洋・中国・日本(APCJ)地域マーケティング副社長は23日、ソウル・サムソン洞のウェスティンソウルパルナスで開かれた「F5アプリワールドソウル2026」記者懇談会で「ハッカーの攻撃がAIエージェント基盤で自動化され、既存の防御体制では脅威を防ぎきれなくなった」と述べた。

F5が顧客企業を対象に実施した調査によると、昨年は攻撃者が自動化技術を活用して攻撃規模を急速に拡大し、ウェブ攻撃は77%、ボット活動は150%増加した。ナラッパン副社長は「大規模言語モデル(LLM)が新たな攻撃面を生み出しており、量子コンピューター商用化への備えはもはや理論ではなく実際の計画段階に入っている」と診断した。

特に企業が自社データセンターに加え、アマゾンウェブサービス(AWS)・マイクロソフトAzure・グーグルクラウドなど外部クラウドサービスを併用する「ハイブリッドマルチクラウド」環境が標準として定着しただけに、企業は分散環境の全般で一貫した制御能力を確保すべき局面に直面している。

F5は新たなセキュリティ脅威の地形に対応するため、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)を新たに設計した。ナラッパン副社長は「今日のハッカーは秒単位で新しいペイロード(悪性コード)を作って攻撃してくるが、伝統的なWAFは既知の脅威を基に構築されているため対応できない」とし、「防御体制も攻撃者のリアルタイム学習・攻撃に対抗できるよう、WAFに新たな神経網(ニューラルネット)基盤のレイヤー(階層)を追加した」と述べた。

続けて「F5の自社データを基に構築した神経網は最新のアプリケーション環境全般でマイクロ秒(100万分の1秒)単位で脅威を分析でき、全てニューラルプロセッシングユニット(NPU)基盤で動作するため、ネットワークのエッジでも実行が可能だ」と付け加えた。

AIシステムは、ユーザーがプロンプト(要求)を入力すると出入口(フロントドア)に当たるアプリケーションに入り、オーケストレーション(AIエージェントの役割配分など作業の調整)を経て推論を実行し、結果物を出す構造だ。

F5は、自社のAI基盤セキュリティ能力がアプリケーションの入口である「フロントドア」、AIエージェントとデータが接続される「オーケストレーション」、実際のAI推論が行われる「インファレンス(Inference)」という3つの核心統制地点(Control Point)に強力なセキュリティ機能を提供する点を強みとして挙げた。ナラッパン副社長は「AI時代の企業競争力は最新AIモデルの確保可否ではなく、AIシステムの核心コントロールポイントをいかに的確に理解し統制するかで決まる」と述べた。

特にF5は、精緻な脆弱性を識別するよう設計した「AIレッドチーム」と、機微なデータや安全でないデータ出力が流出しないよう支援する「AIガードレール」を基盤にAIオーケストレーションのセキュリティを強化した。ナラッパン副社長は「これを基に毎月1万件の新たなAIシグネチャを生成している」と述べた。AIシグネチャとは、プロンプトインジェクション(操作されたプロンプトを注入してモデルのアルゴリズムを歪める)、ジェイルブレイク(安全装置の回避手法)などAIモデルを狙った新たな攻撃類型を検知・分析して蓄積した知見だ。

イ・ヒョンウクF5コリア支社長が23日、ソウル・サムソン洞のウェスティンソウルパルナスで開かれた「F5アプリワールドソウル2026」記者懇談会で発表している。/ F5

ナラッパン副社長は、F5のAI基盤セキュリティ能力が企業の生産性を高めコスト削減にも資することを強調した。ナラッパン副社長は「現在の人工知能(AI)産業の最大の制約はエネルギーだ」とし、「今日のAIファクトリーはエネルギーを入力するとトークンが出力される一種の『エネルギー変換機械』だが、AIファクトリーのエネルギー効率を高めなければ、企業は不要な電力ばかり消費し、収益性は悪化せざるを得ない」と述べた。トークンとはAIモデルが情報を処理し回答を生成する際に用いる基本単位だ。

F5は、AIが回答を生成する前に行われるセキュリティ・転送作業をグラフィックス処理装置(GPU)以前の段階であるデータ処理装置(DPU)で処理するセキュリティプラットフォームを構築し、エネルギー効率を高めた。ナラッパン副社長は「AIファクトリーは汎用演算を処理するCPU、推論・学習を担うGPU、セキュリティとサーバー分散作業を担うDPUで構成される」とし、「F5はトラフィックがGPUに到達する前に、セキュリティと転送作業をDPUで先に処理する方式で応答生成時間を30%短縮し、トークン生成量を40%増やすことに寄与した」と述べた。高価なGPUは推論作業に専念できるようDPUを活用したということだ。

同社はこの日、組織の承認を受けていない、いわゆる「シャドーAI」を検知する技術を保有する「シュアパスAI」を買収し、AIセキュリティプラットフォームの能力を強化すると明らかにした。

イ・ヒョンウクF5コリア支社長は「AI導入の加速化とハイブリッドマルチクラウドの標準運用モデル化、AIの武器化に伴う脅威の進化が同時進行している」とし、「F5は韓国企業が一貫したセキュリティ、性能、復元力を土台に安定的な環境で企業革新を推進できるよう支援する」と述べた。

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